フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

スノーシュー 雲の上展望レストラン

友人Cさんと久しぶりのスノーシューハイキング。標高1300mの駐車場からしばらく歩くとすっぽりとガスの中から出ることが出来ました。そこは雲海の上。飛行機にでも乗っているかのようなフワフワ感がありました。


2056mのタイユフェール山小屋を通過、目的地にしていたグラン・ガルベール(2561m)目指してさらに登り続けます。


今向かっている北側は唯一晴れている方角です。


雲海から出た直後には晴れていた南方向も今ではこの有り様(;´・ω・)


これ・・間違ってもまだ頂上ではありません(^^;
幾度となくこういう盛り上がりを通過します。


きれいけど、いつ自分たちも雲に飲み込まれるかと思うと焦ります。


そして、相変わらずさり気に急傾斜。


このように、盛り上がりに着くたびに奥に次の盛り上がり(偽ピークというのはまだ頂上から離れすぎてる)が現れる、の繰り返しです。


ちょっと雪が融けていて地面が露出している部分もありました。


標高を上げるにつれ、今まで見えていなかった西側も見えてきました。こちら側にはヴェルコール山塊が連なって見えるはずなのですが、2000m以上くらいのあたりからしか雲海から顔を出していません。


ケルンがあったので、Cさんを待ちつつ記念撮影(ザックの😅)。


もうしつこすぎるくらいこの日撮ったラ・ピラミッドとその仲間たち(^^;


なかなか友達が上がって来ないのでセルフィーとかしながら待ちます。


間もなく追いついたCさんと相談。もう1時過ぎてるし、あと少し登った適当な場所でお昼にしよう、ということに。


1枚撮ってもらいました。


もう少しグラン・ガルベールに近付きます。・・・が、なんだかこっちの方にも雲がかかってきた感じです。


う~ん、すごい勢いで頂上方面は雲に覆われてしまいましたΣ( ̄□ ̄|||)


ひとつ上の写真で雪庇になっている隣くらいまで行ってご飯にしようと決めました。ここらがその地点です。いつもはもう少し歩くの早いCさんですが、今日はお疲れ気味だったようで(前の週残業がひどかったらしい…)スピードダウンすることが度々。普段はむしろその逆で、わたしが後ろを歩くことの方が大半です。


1時半。標高約2350mの地点でランチタイムにしました。


今日は賞味期限の切れていないインスタントスープです(^▽^;)


それにチーズ・・・
ボーフォールはハイキングの帰りに最もよく買うチーズのひとつですが、もう一つは南ヴァノワーズでたった数軒の農家のみで作られているブルー・ド・テルミニョン。夏の放牧期間の約3か月間の牛乳のみを使い現地でアルパージュ(放牧地帯)で手作りされる幻のチーズなのです。運よく先日ハイキングの帰りに寄った農協で手に入りましたが、売ってないことの方がずっと多いのです。Cさんも「名前は知ってるけど、食べたことない」というので味見してもらいました。


わたしにとっては何よりも最高の展望レストランです。


デザートにはチョコレートとCさんが持って来たリンゴのコンポート(子供のおやつ向けパックですが便利なので山に持ってくる人多し)。それにイタリアで買ったブリオッシュ。


寒いけど雲の上でのランチはとても幸せなひとときになりました。さて、このあとどーする?Cさんと顔を見合わせます。グラン・ガルべール、あと200mほどだから1時間もかからないよ・・・


でも、北側こんなんなってますから(;´Д`)
二人ともテンションだだ下がりです。なーんも見えへんやろ・・・


はい、5秒で即決です。
もう下りましょう💦



下山編に続きます。

スノーシュー 雲と雲海の狭間を漂う

山友Cさんとやって来たタイユフェール山塊。標高1300mの駐車場から2561mのグラン・ガルベールを目指します。


あまり理想的ではない斜面から登ってきてしまったようです。一般的な山スキーコースからあまりに離れすぎてるのか、トレースのひとつもないので見た目いけそうなところを選びつつ登っていきます。
登ってる最中、常に左に見えていたのは山塊2番目に高いラ・ピラミッド。


Cさんを待ちます。すぐ後ろを歩いてた・・と思ったら見えなくなっていました。すごい勢いで雲海の位置が上がってきたのです。わたしも自分が歩くのに必死で後ろをしばらく振り返っていませんでした。


あと少し登れば、ひとまず平らなところに出られそうなのですが、これ以上離れるのはまずいので傾斜があって不安定だけどここで待ちます。大声で呼んでみるとかすかに返事のようなものが聞こえるのですが、姿が見えません。


2、3分すると彼女の姿がガスの中から現れました。わたしが待っている位置よりも少しずれたところから登ってきました。というのも、彼女はわたしがしたみたいにトラバースするのが滑りそうで怖いと思い、急斜面を四つん這いに登ってきたのです。そう言えば、これは彼女の戦法(^▽^;) 以前に歩いたときも雪のある急斜面では四つん這いで登ってました。


左を見ると峠っぽい地形になっています。ここから奥は台地になっており、無数の湖や水溜りの集まる湿原のような場所なのです。
👇今歩いてるエリアのハイキング地図。たくさん湖がありますが、今の時期雪に覆われていて形は全く見えません。

湖の姿が見えないと、歩いても面白くないので湿原エリアには今日は寄りませんが、去年の4月に歩きました。👇普通なら標高的には5月くらいに雪どけするエリアですが、雪がとても少なかった去年は1か月ほど前倒しになっていました。

手前左がラ・ピラミッド(2838m)、右奥がル・タイユフェール(2857m)になります。この日は湖巡りをした後、今日の目的地、グラン・ガルベールにも登ったのでした。


さて、Cさんとも無事再会できたのでもう視界に入らないところまでは離れてしまわないようにしよう、と約束して再び歩き始めました。


かなり平たくなってきました。先ほどの鬼のような傾斜に比べると傾斜ないのも同然です^^;


登ってくるにつれ、右奥になんか出っ張ってるものが目に付き始めました。これこそ、今日の目的地、グラン・ガルベールの偽、または偽々ピークです(^▽^;)


雲海と、普通の雲との境が分からなくなってきました💦


ラ・ピラミッドも、雪がなかったらまあまあ普通に登れる山のようです。ル・タイユフェールには去年の元旦に登りましたがラ・ピラミッドにはいまだ未挑戦。うちから来やすいエリアだし、見晴らしも良いので雪が融け次第登りたいと思ってる場所のひとつです。


グラン・ガルベールの麓に近付いて行くと・・あ、見えてきました。タイユフェール山小屋です。


山小屋に向かう途中。振り返ると、どうやらわたし達、雲海と上空から漂ってきた雲とのわずかな隙間にいるらしいことが判明(;´Д`)


タイユフェール山小屋に到着です。


建物その2。でもどっちも鍵閉まってました。かなり質素に見えますが、避難小屋ではなく夏の間は管理人さんがいる山小屋です。


ちなみに去年4月👇

とっても景色のいいところに建ってます。湖巡りをするにも、目の前の高い山に登るにもいい立地条件です。


さて、時間は12時を回ったところです。Cさんと大事な相談をします。「どうする?お昼ご飯」この日は結構寒かったし(麓の村の最高気温がマイナス5度くらい)風もあったのでほんとは山小屋の鍵が開いていたら中で食べたいなと思ってたのですが、その夢砕け💧
グラン・ガルベールへはあと500mほど上らないといけないので、この雪だと2時間弱といったところでしょうか。頂上でランチ、は理想だけど2時過ぎか2時半くらいにはなりそう。ちょっと遅すぎておなかが空いてしまいそうです。でもまあ、とりあえずは登り始めることにしました。ここから真北に上がることになります。


のぼり始め。ちなみにすぐそこに見えているのは、偽ピークです。この方向からも一度登っているので偽ピークが少なくとも2度ほどあったことも覚えています(^^;


山小屋から少し歩いたところに、周辺の山の説明がありました。あ~これ、助かる(^^♪
有名な山以外はすぐそこに見えてるのが一体何なのか分からずに悶々とすることが多いのです。頂上で誰かに会ったりするとここぞとばかりに「あれは何?」と矢継ぎ早に質問しまくります^^;


主に正面に見えているのはエクラン国立公園北部のオワザン地方と呼ばれる地域、そしてもっと北側のグランド・ルース山塊です。ちなみにここに名前が載ってる山のほとんどがアルピニスムでしか登れない山です(;´・ω・) 絵に描いた餅・・・背景として楽しむしかありません。


さらに少し歩くと信じられないものが(@_@)


夏に山でよく見る蝶ですが、なぜか雪の上に留まって弱弱しく羽を動かしていました。そして閉じたまま、動かなくなってしまいました・・・一体何を間違えて今頃生まれてしまったのでしょうか(;´Д`)


雲海が発達しすぎて、東側はもうほとんど何も見えません。
風の強さを物語るシュカブラが。


先ほどは青空を背景に清々しい姿を見せていたラ・ピラミッドも雲に支配されつつあります。


後から登ってくるCさんを待ちます。またガスに飲み込まれて見えなくなってしまうと困るので・・・



また中途半端なところですが、ここで一度投稿します。

スノーシューで雲の上まで

順序が入れ替わりましたが、約3週間前のハイキング記になります。
雲の上まで、というとどんなけ3000mや4000m登ったんか、って感じですけど単にガスってたところを抜けたってだけの話です(^▽^;)
でもこの日のハイキングは正に雲の上を歩いたような印象として残りました。


この日の連れは久しく一緒に出掛けていなかった女友達のCさん。歩くスピードが似ているので歩きやすいし、わたしよりも経験豊かなので話をしながらちょっとしたことを学ぶ機会も多いです。


この日のハイキング先はフランス人でも山歩きをしない人は大抵その名前さえも知らない、とってもマイナーなタイユフェール山塊です。
彼女の車で来ることの方が多いので、今回はわたしの運転で来ました。


出発地点は標高1300mの駐車場です。Cさんは朝が苦手なのでひとりの時よりも遅い目の6時半の出発、着いたのは8時半過ぎでした。


しかし天気悪いな・・・実は前夜に見たときは晴れの予報だったのが、何をトチ狂ったか今朝になってからいきなり「とっても曇り空(très nuageux)」という予報に変わっていたのです(;´Д`)
ひとりで行くのなら、慌てて晴天の予報が出ている方面を探して行先変更していたかもしれません。でもややこしいのでそのまま来ちゃいました。Cさんには車の中で「あのさ・・天気予報変わったの知ってる?」と聞くと「えっ、見てない💧」


そんなこと言っても、着いちゃったんだから歩き始めるとしましょう。
Cさんはわたしと同じスノーシューです。わたしよりも2年位前から使っているそうです。アメリカのメーカーのものですが、結構急な斜面でもしっかり引っかかる爪があるので二人とも満足しています。もう一人の山友・Aちゃんもこれと同じのをこの冬に買いました。


スタートは9時前。
初めは林道の続きからです。最終駐車場がこの少し先になっています。


これは林道部分が終わった後の続きの道です。
スキーヤーのトレースがありました。
しかしガスってますね・・・すぐ近くも見えないくらいです。


いきなり雪がなくなって土が露出している部分もありました。今年は雪がとっても多いので積雪量は全然チェックしないで(スノーシューで駐車場から即歩けると分かっています)来ているので、雪がない地点があるとめっちゃびっくりします💦


細い小川が何本も流れている地点では岩に流れる水が凍って見るからに寒いことになっています。


キラキラとクリスタルのようできれいです。ついつい見惚れてしまいます。


分かりやすい道から離れて道(夏用の)が雪に隠れて見えないエリアになりました。


夏山コースはここら辺を上がっていくようになってます。少し道の形が浮き出ている部分あったので上がり始めたのですが、じきに見えなくなり視界も全くないのでここから登るのを諦め、少し遠回りになるけどもう少し先までぐるっと回ってから森に入ることにしました。結構登ってしまってから下りたので、ちょっと悔しい(;´Д`)


これまた寒々しい川を越えます。


お腹が・・既に空いてしまいました。1時間歩くとお腹が空くタイプですのでこまめに補給(^^; 一番の定番となっているイギリスの朝食シリアルメーカー、ジョーダンズのものでブルーベリー味とこのクランベリー&リンゴをよく買っています。


あれ、心なしか空が明るくなってきたような・・・
お日様がぼや~~っとだけど姿を現してくれました。


・・みるみるうちに空が・・・!


わわわ。嬉しー(*´ω`*)
薄っすらと山のラインも見えてきました。


薄っすらと、ではなくもうはっきりとこれから向かうべき方向が見えています。たった数分間でのことでした。


この辺りには山スキーヤーさんのトレースが少しあったのでついて行きました。


こちらは立派な山がそびえていますが、残念ながら今日の目的地ではありません。


森の中にハイキング客への呼びかけの看板がありました。この一帯は初夏から秋にかけて羊の放牧エリアになるため、歩く際の注意点が書かれています。


今日の通過点になるかもしれない(でも必ず通らないといけないわけでもない)タイユフェール山小屋の案内看板もありました。といっても木の間隔はどこも同じような感じでどれが道なのか全然分かりません。スキーヤーのトレースもあちこちに分かれてしまったので結局は木の間の通りやすそうなところを適当に抜けて山の斜面に向かうだけでした。


時折スキーのトレースに交わることもありますが、基本ノートレースのところが多かったです。


ようやく森を抜けた辺り。といっても、まだ結構木は生えています。


木々を見ても結構な積雪量であることが分かります。


・・てかこの傾斜、どうなんですか(~_~;)??
絶対わたしたちベストじゃない場所登ってます・・・


左手にぬお~っとそびえるラ・ピラミッド(2838m)。ピラミッドのような形をしています。ちょっと安易すぎる名前のように思えます💧 ル・タイユフェール(2857m)に次いでタイユフェール山塊で2番目に標高が高くなっています。


上を見上げるとこうです。


ガシガシと登って来た自分のトレース。この時、まだ時間が早くて雪の表面が硬く凍っていたので足がはまらずに歩きやすかったのですが、お日様が照ってくると気温はかなり低めだったにも関わらずかなり柔らかくなってきてズボズボとはまりだし、次第に歩きにくくなってきました。


振り返ると雲海が高い位置まで出ています。駐車場から1時間以上、この雲海よりも下を歩いていたのでした。写真中央にぽつんと島のように出ているのは1月に登ったクロワ・ド・カルレ。その時も雲海を愛でることが出来たのでした。ただ、その時の雲海はもっとずっと低い位置にとどまっていました。


ラ・ピラミッドの奥に山塊最高峰のル・タイユフェールの頂上が見え始めました。ふたつの山はくっついたみたいに隣同士になっているのです。


こういう障害物があったので右側にずれつつ登り続けます。


ここまで最短距離で登ろうと真上に歩いてきましたが、どんどん急になってきたのと岩壁に阻まれたのとでこんな感じで右側にトラバースしながら登ることにしました。


ちょっと傾斜が緩やかなところに来たので(´▽`) ホッ


上を眺めると・・もうちょっとであと一息できそうです。
あとを歩いているCさんがまだ登ってきていないのでここで少し待ちます。



斜面の中途半端なところですが💦今からうちを出るので一度投稿します。