フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

撤退しても雪山ラーメンでご褒美

最後、頂上の部分約80mくらいが登り切れなかったロッシュ・ア・トマの中腹に下りてお昼ご飯です。


景色の良いところに陣取りました。


最近流行りの兆しを見せている「賞味期限切れグルメ」です。
里帰り時に日本で買って「これという山に登った日のために置いておこう・・・」と大事にし過ぎて賞味期限を過ぎてしまったカップ麺などがいくつもあります。案外賞味期限短いんですよね・・・


お・おいしいっΣ(゚Д゚) 汁がこってりしてるのがまたいいです。毎回だと飽きそうですが・・・特にこの日はちょっと寒かったので温まりました。


2、3日前に南仏のマイナーな山に遠征した帰りに買ったチーズとドライフルーツ入りパンも持って来ました。


わたしがご飯の準備をしている頃、3人組の若い山スキーヤーが下から登ってくるのが見えました。わたしがさっき初めに挑戦した岩場の手前で立ち止まり話をしているのが少し聞こえます。結構距離があるのですが、山ってやまびこというくらいで、話し声がよく響いて案外遠くまで聞こえてきたりします。特に前を歩いてたふたりが3人目に向かって大きな声で話しているうちはほぼ全部聞こえました。こんな内容です。
「これ、このあとどう登るんだ?」「トレースあんじゃん。スノーシューだけど。ここまで俺たちがついてきたのと同じ人のみたいだよ」「よし、スノーシューのやつに登れたんだったらいけるにきまってるな」
みたいな感じでひとりふたりとわたしと同じところから挑戦しているのが見えます。
わわ。どーなるんだろ。わたしには無理っぽくて諦めたけど、彼らだったらなんとかしちゃうのかな・・
間もなく予想されていたとおりのセリフが聞こえてきました。「ゲッ。こいつここで諦めてお尻で滑り降りてやがる!」「ここ急すぎるって。おれはやめとくよ」
あ、やっぱり怖いもの知らずのイメージの山スキーヤーたちにもここは危ないという認識なんですね。わたしが登れなかったのも当然か・・・


しかし、先を行ってたスキーヤーはそのままものすごい急斜面を登り始めたのです(゚Д゚;)
あとのふたりは待っとくという選択のようで、下から見守っています。

すげえ・・・
危ない・・気を付けてよ・・・と願わずにはいられません。
こういうスペクタクルを見つつの豚骨ラーメンでした💧


わ・・・ほんとに登った・・・


かなり時間をかけてだけど登り切りました。(´▽`) ホッ。
この先にさらにある岩場には興味がないようです。頂上を目指したいんでなく、この急斜面を滑り降りたいだけでしょうから当然です。


この後は彼のお楽しみタイムです。


しかし雪も硬くてガリガリなのによっぽど上手なんでしょうね。


下の方まで無事下りてきました。改めて(´▽`) ホッ


彼が急斜面を半分ほど下りたところでお友達はすでに出発していました。そこに合流する怖いもの知らずの彼。
あ~ドキドキするもん見せていただきました。。


さて、わたしもそろそろ腰を上げよう・・・
帰りは行きとは違う場所を通りたいんですが、ここら辺を行きと違うように下りるというのもひとつの選択。


それとも、さきほどロッシュ・ア・トマに「こっちがダメならあっちか」と反対側から登ろうと試みた時に進んだ方向のその先は窪みになっていて、地図を見てもそっちからも帰ることが出来そうです。その方が行きと全く違う場所を通ることが出来ます。前述のパターンだと、行きと似たような景色のところを歩くことになってしまいます。


そう決めたら、再びロッシュ・ア・トマの中腹のあたりを奥の方まで進みます。


これは振り返って。さっき挑戦した攻略法その2(いや、攻略できてないけど)の斜面が右手に。


無念のトレースが残っています^^;


はい、ここですよ。ここを下りて右手にさらに下りれば方向的にはOKなはずです。


これまた急ですな・・・


もう・・今日こんなんばっかりです💦


山スキー一人分のトレースがあるのみ。
急なのでジグザグ気味に下りかけたけど、ここはやっぱり・・・


お尻で一気に滑り降りました\(^_^)/
最後は傾斜が緩くなって滑らなくなり、スノーシューでドタバタと走り下りましたがかなり長く滑り降りられて面白かったです。


滑り降りてきた窪みは手前の岩に隠れて見えなくなってきました。



この回で最終回にしたかったのですが、ちょっと長くなりそうなので2回に分けることにしました。

ロッシュ・ア・トマ(2394m)撤退(;´・ω・)

3週間ほど前に日帰りで出掛けたスノーシューハイキング記です。行き先は片道約2時間半のボーフォータン山塊。複数の方(って2名)から「ボーダフォン」としか読めないと指摘を受けているサヴォア県の放牧業が盛んなのどかな山塊です(^▽^;) 
この地方にはボーフォールという有名なハードタイプのチーズがあるのですが、ボーフォールという町の名前からきており、山塊名もそこに由来しています。


標高約1380mの駐車場を出発、約1700mの地点まで歩いてきました。途中いくつかのシャレーの前を通りました。


今日も例によって山スキー向けのコースを歩いています。もう1週間以上は雪が降っていないのでスキーヤーのトレースがたくさんついています。


この辺りで立ったまま休憩していると5、6人の50代後半くらいのおじ様グループに抜かされました。全員山スキーヤーです。気さくな方たちで少し話をしました。わたしが今日「あわよくば…」と思っている2500m台の山頂が目的地だそうです。高低差が1400m以上になるのでちょっとしんどそうかな、と思ってるんです、と言うと「それならその手前にあるロッシュ・ア・トマがいいんじゃないかな、駐車場からの高低差ちょうど1000mくらいだよ、とその中の一人が言いました。昨夜うちで地図を見てた時にそんな名前の山そういえばすぐ近くにあったなーと思い出しました。「地図を出すまでもないよ、この急な坂登り切ったら目の前に見えてくるから」


森の部分は緩やかだったのですが、この斜面が結構長くづきます。初めは真上にのみ向かってガシガシ登ってたんですが、休憩後はトレース通りにジグザグに登ったり傾斜がちょっとましだと思ったら真上に登る、と適当に登りました😅近道、と思って真上に登ってもその間スピードダウンしてるから多分どっこいどっこいだと思います。


ジグザグに、しかしさっさと登るおじ様たち。
奥の山まで行くので、わたしに提案してくれた山は麓を通過するだけになるようです。


急斜面は残すところあと3分の1ほどです。


ジグザグのトレース無視して直に登ってる自分のトレース。

しかしスピード遅すぎておじ様たちに追いつけません💦


あーなるほどね。何か見えてきました。どうやらあれみたいです。


ロッシュ・ア・トマ。大海に浮かぶ小島のような形をしています。


麓に向かっていくときに小屋が数軒ある集落を通過しました。
これなんてなかなか素敵な小屋です。


振り返ると、わたしが登って来た少し右上にも集落があったようです。こんなにすぐ近くだったのに登ってるところからは全く見えずに気が付きませんでした。



見晴らしの良いところに十字架が立たてありました。

よくみると、なんか可愛い・・・
駐車場に着いたときからよく見えてるヴァノワーズ国立公園のモン・プーリ(中央左)やベルコット(中央右)。


全く雪かきされておらずほぼ雪に埋まりつつあるシャレーもありました。


右手にはボーフォータン山塊のシンボルともいえるピエ―ル・マンタが見えてきました。


この辺りの雪はザラザラガリガリしていました;


左の盛り上がったところから登るのでしょう。


この辺りにも3軒ほどシャレーが並んでいました。屋根の上をスキーの跡が😅


ひとりか二人分だけですがスキーで大きくジグザグに登った跡があります。


無視してまっすぐ(;´∀`)


で、このあと右手に続けて登ります。


先ほどの山スキーヤーさんは右上に曲がらずに岩の横をこのまま真っすぐに行ってしまったはずです。


少しずつ麓に、というよりかは中腹の辺りまでは登ってきました。

いつの間にやらトレースが見当たらなくなってしまいました。でも地形を見る限りは目の前のひとつ目の台のようになったところに登って、その後は岩の露出しているところ、もしくは遠回りになるけど右側の端に近い部分まで行って斜面を尾根まで登って頂上まで尾根沿いに戻る感じでしょ?


眼下には今日通ってきていない集落もあります。今はどう使われているのか分かりませんが、牛の放牧が盛んな土地ですので元々は放牧業の人たちの夏の住居としてのシャレーであったと思います。


まずは近い方ということで雪から露出している岩の麓まで登り、周りの様子をじっくり(上の方まで)見て登れるかどうかチェック。
少し離れたところから見た時はスノーシュー脱いだら余裕で登れそうな簡単な岩場に見えました。ただ、今日は岩登りする予定はなかったのでスノーシューに合わせる用のハイカットのブーツであまり靴底がちゃんとしていません。それに、ところどころ岩の間に雪がたんまりたまっており、岩のところでズボズボするのは危なすぎます。


左側が無理だったのでもう少し右側を見てみます。登り口がないか探してみました。少し登り始めてもみましたが、やはりこちらも(わたしには)無理です。この、岩と岩の間に積もった雪というのが怖すぎます。やはり遠回りだけど一番右の端っこからか・・・
仕方ありません。少し下りて右側にザーッとトラバースしていこうかと思います。


少し下りるのは・・・急なのでこれが一番早い(^▽^;)
お尻で滑り降りました。


その奥の軽く窪んだとこまで登っていってみよう。そこから左に登る緩やかな斜面がわたしを待っていることだろう・・・


・・・これか?なだらかな斜面?Σ(゚Д゚)
でもさっきの岩場からは絶対無理だから、ここくらいしか可能性がありません。


う~~ん・・・真上に登るのはとても無理なので、トラバース気味に大きくジグザグに登るか・・・

うわ。それでも急💦雪がザラザラの砂状でスノーシューの爪にも引っかかりにくく、怖い・・・だ、ダメだ~これは怖い!!
無理ですわたしには。


右から登って来て諦めてお尻で滑り降りて、もう滑らなくなったのでスノーシューで下りる、というトレースが分かりやすく残っています💧
しかし、こうやって見ると結構いいとこまで登ってましたよね・・・一番てっぺんの岩々ゾーンは無視しておいたとしても。でもちょっとでも気(と足の力)を抜いたら滑り落ちるという半端ない緊張感であの位置まで登りました。軍隊の訓練でも我慢大会でも根性試しでもないので、危ないと思ったら止めときます💦


あまりにも分かりやすいな・・・
誰か見たらおかしいことでしょう。
さて、ご飯は頂上で食べられたらいいと思ってたのですが、無理だったので景色のいいところまで戻ろうと思います。


真下の部分まで戻ってきました。


ここらへんでいいか・・・
落ち着いたところで、地図を広げてみます。えーと、今いる辺は・・・


ロッシュ・ア・トマの頂上は岩々した茶色っぽくなった部分に2394の数字が書かれているあたり。赤いのわたしが今座った場所。
水色の線は元々地図に印刷されている山スキー用コースを分かりやすいようになぞっただけです。そしてピンクの細い線は夏山のコースになります。
え、あれ、これって・・・この山の頂上、登られへんくて当然やん(~_~;)
山スキーコースにも夏山コースにもなってない鑑賞用の山ですやん。いや、コース外でも登れるところはいっぱいありますが今日のコレはちょっと無理でした・・・
おじさん達は適当な麓のところまで行けよ、って意味で言ったんでしょうね。頂上、見るからに登れなさそうだからまさかチャレンジするとは思ってなかったのかもしれません。
でも雪さえなければ特に問題なさそうだったのでまた夏にリベンジですな(^^♪


最終回に続きます。

ボーフォータン山塊・駐車場で既に満足(≧∇≦)

記事にアップできないまま時間が過ぎてしまった2月中旬に日帰りで行ったスノーシューハイキングです。


昨年の春に一度来たことのあるグラニエ村が出発地点です。前回は雪降りたてでトレースもない足ズボズボの林道を延々3時間以上歩くという苦行のようなスタートでした。今日はそっち方面には歩きません(^▽^;)


天気は朝のうち少し曇り、昼前から晴天の予報です。そして雪崩危険度はちょっと珍しい5段階の1。しばらく雪が降っていないし、急激に気温が上がったとかもなく、非常に安定した状態です。


曇りってか濃霧でほとんど視界もないです。


村の教会。


村役場と小学校が一緒になっています。田舎ではよくあることです。


村を通り抜けると同時にパァッと靄から出ました。ピッカピカの晴天😻
朝は曇り、というのはここよりも下のもう少し大きな町の予報だったので雲を潜り抜けたってことなのでしょう。


上がってきた方向の道路を見て愕然・・・
既に本日最高のビューポイントであることはほぼ確実


村を見下ろして


正面はヴァノワーズ国立公園北部になります。立派なのは北部では一番高いモン・プーリ(3779m) ボーフォータン北部を歩くと大概、谷の向こう側お目にかかることが出来ます。


奥の空がピンクに染まっている辺りはロジエール山塊やグランド・ルース山塊。
ここや正面も含め、いずれもサヴォア県になります。
ほぼ真正面にはこのエリアでは規模の大きいラ・プラーニュのスキー場になっています。


道路わきから適当に野原を登っていきます。ここの斜面にはリフトがふたつ乗り継げるようになっています。リフトはわたしが車を停めたもう少し先から始まりますが、かなり簡素でそこまで目障りではないとはいえ真下を歩きたくないので少し離れた木の疎らに生えた森と草原の間のような斜面を登ることにしました。



きれいですなぁ・・・
この地点でまだ50mくらいしか登ってないんですが・・・
これが見れるんだったら「スノーシューのやつは低いとこウロウロしとけや」コースでもOKです(;・∀・)


谷の奥のロジエール山塊のピンク色も薄くなり普通の空色に馴染んでゆき、もうスペクタクルも終わりか・・と思っていた矢先。


ああっ、まだありました(;´∀`)
モン・プーリの後ろからお日様が~


お日様がどんどん昇ってきました。


わたしもどんどん登っていきましょう(;´∀`)


隣の山の広い稜線~もう少し上の少しずつ細くなっていく稜線を眺めます。というのも、ここはわたしの記念すべき初ソロスノーシューをした場所だったからです。稜線の一番先にあるギザギザの山はロワニェといって2995mのボーフォータン最高峰になります。ちなみにここまでは雪がなかったとしても稜線伝いには行けません(少なくともハイキングでは)。普通に歩いて行ける最終地点(2461m)まで行きました。

夏山としてしか見たことのなかったヴァノワーズの山々が雪を被った美しいパノラマを目にして雪景色のもつ特別な魅力に気付くことになりました。


ひとつふたつとシャレーの横を通りつつ登っていきます。


すんごい絶景なところにシャレー持ってる人いるんですね(@_@)




野原から再び森に入ります。


トレースがあるので何の疑問も持たずにそちらに歩いて行きます。地図上の山スキーコースともピッタリ一致しています。


また森を抜けました。十字架が雪に埋もれています。



次回に続きます。