フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

2泊でエクラン中南部、シャンプサー地方へ その5(最終回)

2泊3日のエクランハイキング記、随分引き伸ばしてしまいましたが今回で最終回にしたいと思います。


出発前日に予約しておいたトゥロン山小屋。1700メートルちょっとの森がちょうど途切れて視界が広がりつつある場所にあります。


質素かつ温かみのある内装。


シーズンも終盤に差し掛かっているのと日曜の晩だったということもあってか、わたしの他はドイツ人のカップルがいただけでした。1週間のバカンス中でエクラン中部をハイキングしているそうです。たまたま彼らが今回行った山、行く予定の山がこの夏わたしが行ったところと重なってたので話が盛り上がりました。


いつもは管理人がいてご飯も頼める山小屋(refuge gardéといいます)に泊まってもご飯は頼まず自炊するんですが、今回ちょっと贅沢にご飯もお願いしておきました。これがとってもおいしくて、ラッキー。
・野菜のポタージュスープ
・サラダとトマトのタルタル
・ジャガイモとポワロー葱、ニンニク入りタルト
・豚肉のなんかよく分からんけど軽く燻製させたものを煮込んだもの
・地元のチーズ
・ブルーベリータルト
・ジェネピと呼ばれる、同名の野草を漬け込んだ手作りアルコールを食後酒に


ほとんどレストランです!普通はもっと簡素な内容。しかもおかわりがふんだんに準備されていて、ドイツ人が結構モリモリ食べていたのに安心してわたしもおかわりしまくりで「山で食べ過ぎる」という史上かつてない経験をしてしまいました。。。


翌朝、午後から仕事だしリヨンまでの道のりは長いしであまり時間がなかったんですが、山小屋の人たちに勧められ歩いて30分のところにあるという滝までミニハイキングに出かけました。
看板には片道30分と書いていたけど急ぎ足で往復35分といったところでした。


山小屋の管理人、ステファン(右)と従業員ピエール。


あのおいしい料理を作ったのはピエールだそう。ふたりともとっても親切でフランスだけでなく世界の山のこともよく知っていて、朝もいっぱい話して帰るのが名残惜しかったです。


また来シーズンに来ます!と約束して(ほんとは1泊目した小屋のほうがもう1回行きたいんだけど。。まあ両方来るということで…)帰途へ。


ハイキングコースの出発地点の村に到着。
そのあと駐車場まで1キロ弱だったのですが、ちょっと急いで歩いていくと(山道が軽く分岐してたのですがしっかり確認せずに)・・・


なんと道を間違えて駐車場でないところに出てきてしまいました。まあ同じ県道の北に800メートルくらいのところだったんでそのまま道路を歩いて駐車場まで戻りましたが自分の方向感覚のなさに最後の最後で打ちのめされました。


これが車停めてた場所。
道路経由で到着!!(恥)


さあ午後から仕事です(信じられん)さっさと帰りましょう。


全5回にわたる長い長いエクラン2泊ハイキング記でした。全部読んでくれた方がもしあれば、ありがとうございます!

2泊でエクラン中南部、シャンプサー地方へ その4

山小屋前で南仏からひとりでハイキングに来ていたおじさんにゆで卵やらチーズやらサラミやら分けてもらって(わたしもチーズとかサラミはあったので、しかもボージュ山塊の農家で買ったおいしいやつが…交換する形で)一緒にお昼ご飯を食べた後、名残惜しい我が家(山小屋…)を後にし周回コースを続けます。この山小屋、何もないし超小さいし隙間風も入りまくりで寒い時期は無理っぽいけど(暖かい上等なシュラフに買い替えるか…)やたら気に入ってしまいました。また来年の夏にでも来たいと思います。


最後にもう1枚山小屋の写真。お昼前に帰ってきたときに撮ったもの。


昨日越えてきたコート・ロング峠まで戻ります。ただし昨日来たのとは反対側に下ります。


稜線に並行している道だったのでどうせなら稜線伝いに歩いてみました。


人っ子ひとり通りかからないのでセルフィー。


次の峠に向かって歩き続けます。


しばらく行くといきなり予想外の光景が・・・


一体どこの国に、どこの惑星に来てしまったのか。。


ズーム


峠が近づくにつれ、普通の風景?に戻りつつあります。


ピッス峠に到着。少し下りてきました。


さらに次の峠に向かいます。今度は少し上ります。


真夏によく見かけるタンポポのお化けみたいなカーリン(Carline)。
茎がなくて葉の付け根からいきなり花です。


次の峠が近づいてきました。


今日3つ目の峠 Col de la Venasqueに到着 。


ここを超えると、昨日歩いたコート・ロング側に戻ってきます。


石灰質なシャルトルーズ山塊を思い浮かべさせられます。


見上げてみたらこんな感じ、、、


だいぶ下りてきたので木が茂ってきました。


ラズベリーだらけです。


ピス峠を越えたところから厳密な国立公園エリア "Coeur"(ハート、つまり中心という意味)からは出ているので、採集OKです。
エリア内だと採集をはじめ、禁止事項が多くて設定されている罰金も侮れない高さです。


👇これ

野性のグロゼイユ(レッドカラント)までありました。


今夜のお宿のザ・ラグジュアリー・デラックス・ホテル(=管理人のいる山小屋。笑)が見えてきました(左下のあたり)。


羊の群れが移動中です。


今回はここまで…めっちゃ長くなってきたけど次回で最終回です!

2泊でエクラン中南部、シャンプサー地方へ その3

前日夕方から夜にかけて雲がどんどん出てきていたので、これは星空は見えないな~と思い夜中に外に出なかったんですが、朝6時に出ると…まだ星が見えてました。しまった、一度外に出ればよかった・・・


朝6時の空。オリオン座が沈みつつあります。山の影は昨日夕食後に登った山小屋の隣の高台。


6時20分


その高台にやっぱりもう一度登りました。


6時58分


7時7分


7時8分。北側、エクラン方面


高台から降りてきました。朝日に照らされるわたしんち(笑)
南風が強く時折、突風みたいに吹き荒れるので、今日のヴュー・シャイヨールへの登頂は大丈夫かいなと少し不安になりますが、まあなだらかな感じの山だし大丈夫でしょう。


小屋の中から。


朝食後、ヴュー・シャイヨールへ登ります。これは振り返った風景。


ああ、またかわいいやつが・・・でももういちいち止まってられません。


登り始め。このように岩々していて植物はあまり育っていません。


ケルンを探しつつ歩き進めます。
この山は主に花崗岩でできているのでピンクっぽい山肌をしています。


頂上(3163m)に到着。
エクラン方面。中央やや左にバール・デ・ゼクラン(4102m)、エール・フォアッド(3954m)。エクラン北中部、そしてエクラン全体もを代表する山々。
中央やや右に黒っぽく突き出ているのがシラ(3441m)、エクラン中部ヴァルゴダマール地方を代表する山のひとつ。


頂上から。


頂上に郵便受け??

メッセージ帳が入ってました。


やっぱり結構風が強くて快適とは言い難いので(景色は最高なんですが)ぼちぼち下りたいと思います。


だいぶ下りてきました。


先ほどと大体同じ場所に可愛いやつらがいました。


おっぱい飲んでます。


山小屋まで下りてきたら、ハイキング客のおじさんが休憩中でした。まだお昼前でしたが一緒にお昼ご飯を食べてから、行き先が違ったのでそこで別れたのですが最近行った山の話などで1時間半くらい盛り上がりました。前日は日曜日だったので結構ハイキング客がいたのですがこの日は平日ということもあってか、このおじさんと、あともうひとり同じ場所ですれ違った後は1日中誰にも出会いませんでした。


今から仕事なので今回はこの辺で。また晩か明日に続き書きます。