フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

イズラン峠サイクリング後、懐かしい人に再会

わたしは単に、麓の町ランスブールからイズラン峠までの往復(65㎞、1600mUP)でしたが、自転車アプリのストラバの他の人の記録を見ると、他の峠道や山道も組み入れて120㎞や150㎞、獲得標高4000mとかもザラで、レベルの違いをまざまざと見せつけられます(;^_^A


お昼には麓の町に戻って、広場の日陰になったところでランチにしました。
その後、車でイズラン峠へと戻ります。
ちょっとした予定があるのです・・・


峠道は途中からヴァノワーズ国立公園に入ります。
せっかくなので車を停めて、少し歩くことにしました。


若いアボンダンスの牛さん達。
かわいいー💖


初夏でお花がいっぱいです。
今年は雪が少なく、早く雪解けしたためお花も早い目です。


あんまり遠くまで歩くほどの元気もなかったので、30分ほどで車まで戻ってきました。


峠の駐車場にデミたんを停めます。
週末や夏は、カッコいい車がいっぱいです😻


とっても珍しい車も見かけました✨


峠のカフェ。まだ本格的にシーズンインしていない時期だったためか、閉まっていました。
それにしても、イズラン峠道の両方の斜面を合わせても、麓の村(ボヌヴァルとヴァル・ディゼール)よりも上には、このカフェしか商業施設はありません。不便と言えば不便ですが、景観を守るという観点からは素晴らしいことだと思います。


峠の反対側に下りていきます。


スキー場で有名なヴァル・ディゼールの村外れにある農家。


牛舎前にデミたんを横付けします。


恐る恐る中へ。

教えてもらった住所を頼りにやって来ましたが、初めて来る場所なのです。


あっ、いた。

コロナ外出制限の期間に疎開⁈していた知人の農家で働いていたDさん。1年ほど前に仕事先を変えたと聞いていました。今回、イズラン峠をヒルクライムするにあたって、会いに行くことにしたのです。


知人の農家で働いていた時のDさん

👇


牛追い犬のオリちゃんが荷台に✨

さて、先月の話に戻ります。


これは6月のお話で、この翌日が牛さん達の放牧開始日でした。牛さん達を山に連れて行くのに、君も来るかい?と聞かれました。サイクリングから早く戻って来られたらぜひ、と答えましたが、結局間に合いそうにもなかったので行きませんでた。残念…


タリーヌ種(左)とアボンダンス種。

どちらもここサヴォワ地方が原産で、ボーフォール作りに指定されている品種です。


干草の上に農家のわんこが。

放牧期間中は牛追いをする賢いわんこだそうです。


仔牛ちゃんコーナー。

いっぱいいます💖


可愛い😍


搾乳タイムでした。

従業員がひとり休んでて、Dさんとお手伝いの女性だけで忙しくそうでした。


わたしもお手伝いしながらDさんとお話しました。コロナ疎開期間は、ずっと農家のお手伝いをしていたので、ごく自然に😅


可愛い(*´꒳`*)


帰り際に出口で見つけた小鳥さん。


逃げない😳


農家の前にいた若い牛さん達。


夕方〜夜編に続きます。

お読み頂いてありがとうございました。

2度目のイズラン峠

昨年10月、峠道が冬季閉鎖に入る前日にヒルクライムして以来、2度目に登ったイズラン峠。


峠にあるチャペル。
開通して10日後くらいでしたが、例年よりもずっと雪が少ない冬春だったので、大して雪は残っていませんでした。


こんな感じの山道でした。
22,5㎞、獲得標高では1461mほどになるそうです。
2400m台で一度足つきをしました。

昨秋は2度足つきをしたし、タイムも3時間以上もかかったのに対して、2時間32分とずっと早く来られました。


まだ早い目の時間帯だったためか、峠は空いていました。
これはイギリスから遠征の4人組で、わたしとは反対側から登ってきました。
そちら側はスキー場になっている部分が多いのと、全体的になだらかで(距離はその分長い)面白味に欠けるので、前回と同じになるけれど、スキー場にほとんどなっておらず、野性的な景色が楽しめるほうの斜面から登りました。


鮮やかな青色が目を引くジョンシアン・プランタニエール。


出発前に麓の町のパン屋さんで買った菓子パンです。
これを楽しみに坂道登り切りました( ̄▽ ̄;)


うまー(゚д゚)!
クロワ・ド・サヴォワといって、十字にかたどられたブリオッシュ生地にカスタードクリームが入っており、サヴォワ地方のパン屋さんやお菓子屋さんでは必ず売っている菓子パンです。

ここのお店のものは、ブリオッシュ・フュイユテで(ブリオッシュ生地をちょっと折ったもの)、あられ糖がたくさん掛かっていて、かなり甘かったのですが、自転車中のおやつには最適でした。


前回来た時は、風が強くてとても寒かったので10分くらいしか峠に滞在しませんでした。

この日は風はそこそこあったものの、上着を2枚着ると全然寒くなかったので、30分くらいそこらをウロウロしたりしていました。なにせ、この時まだビンディングシューズデビュー前で運動靴だったから、歩き放題なんですよね😂


さて、そろそろ下りるとするか・・・


ツールドフランスが前回(2019年)に通った時に描かれたらしいイラストが消えかけながらも、残っていました。
今、調べていて気付いたのですが、ツールドフランスは今までに6回しかこの峠を通っていないんですね。ガリビエ峠は37回も通っているのに対して、とても意外な気がしました。


山岳コースの勝者が着ることが出来る、白地に赤い水玉のマイヨー(Tシャツ)。


この前日、お天気が悪かったのですが、2700m台では雪だったようです。
残雪に新雪が少し積もっていました。


例年の同じ時期なら、もっと高いはずの雪壁とマイ・バイク。


アネモネ・デ・ザルプの一種。
ヒルクライム中は全然写真ないけれど、帰りはめちゃくちゃ自転車から降ります。
路肩でうずくまってる(写真を撮ってる)わたしを見たダウンヒル中のサイクリストさんが、怪我でもしてるのかと気にして声をかけてくれることもあるくらい(;^_^A
ダウンヒル中にこんなに立ち止まってる人は他に全然いないです。


ひとつ上の写真の子たちは、つぼみの時も可愛いんです・・・
お開いた時の花弁は真っ白なんですけど、つぼみの時の花弁の外側は薄っすらとピンクなのです。


どんどん下りてきます。
あー、これは登りでしんどかった辺りだ…とか、もう一回登れと言われたら無理だな…とか色々考えつつ下りていきます。
この峠道は距離が長い目なこと以外は、特別にキツい場所もそんなになく、ブレーキの掛け過ぎで手が痛くなるタイプの下りではないので、とても気持ちよく下りることが出来ます。


峠道のなかで唯一、ほぼ平らな地点を通過します。距離にして500mくらいですが、傾斜が5パーセントくらいになるので、登りではここで息を整えることが出来ました。


その少し先。
ここから左側に向けてハイキング道が出ているため、車が少し停まっていました。


さらにどんどん下りていきます。
牛さんの放牧をしている場所がありました。
この辺りはボーフォールの産地なのです。


麓の村、ボヌヴァルがもうすぐです。
バイカーさん達が写っていますが、夏の峠道はバイクだらけです。ここを始め、有名な峠道だと、外国ナンバーが半分以上を占めます。


出発前には「帰りにボヌヴァル村のカフェで休憩とか?」と思い浮かべてもいたのですが、もう面倒くさくて( ̄▽ ̄;)通過しちゃいました。
「フランスで最も美しい村」のひとつに指定されている可愛らしい村なんですけどね・・・


ボヌヴァル村でカフェ、の代わりにボヌヴァル村の向かいの道路で立ったまま、プルーンを10個ぐらい貪り食いました。
お花がいっぱい。きれい・・・というか、目がチカチカします。


出発地点の町の手前にあるちっさい峠を「なんの嫌がらせ!!??」と悪態つきつつ登った地点。このあとはもう下りのみです。


7%が2㎞ほどあるので、登りではイズラン峠の本体の峠道とほとんど変わらないしんどさです(^-^;
さて、どんどん下りていきます。


出発地点の町にようやく戻ってきました。
疲れた・・・


デミたん💖


自転車を片付けます。


町の駐車場の日陰で、うちから持って来たもので簡単なランチにします。


うちを留守にするのにあたって、冷蔵庫の整理を兼ねて作ってきたコーンの缶詰ときゅうりのサラダ。それとシリアルと豆乳、フルーツという朝ご飯みたいなご飯でした。
豆乳を始末したかったので、シリアル持って来たんですよね・・・
往復65㎞、獲得標高1600m近くと頑張ったご褒美には、なんとも寂しいランチでした(^-^;


午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

2764mの峠道に自転車で登ってみた

少し前に「ヨーロッパで一番標高の高い舗装路であるボネット道路(2802m)をヒルクライムしたお話を書きましたが、今回は「ヨーロッパで一番標高の高い峠道」です。
サヴォワ県にあるイズラン峠(2764m、峠の看板には2770mとある)で、オート・モリエンヌ地方とオート・タランテーズ地方を結ぶ峠になります。
昨年の秋、ロードバイクに本格的に乗るようになって1か月で無謀にもチャレンジして以来、2度目になります。


昨年10月下旬に登った時。いくらか新雪がありました。イズラン峠道は、この翌日に冬季閉鎖期間に入ったのでした。
あれっ、この時はまだサイクリング用の水筒を持ってなくて、ジュースのペットボトルを使ってたんですね…ツールドフランスも通る神聖な峠道をなんだと思ってるんでしょうか😅


サイクリングの前に、地元のパン屋さんでお買い物をしました。小さな町なので、峠から下りてくるお昼頃には、商店がお昼休みで閉まっている可能性が高いからです。レストランやカフェは開いてるだろうけど、経済的な理由により、入る習慣はありません😂
前回と同じく、オート・モリエンヌ側から登ります。
こちらの方が傾斜が急で登りがいがあるし、スキー場になっている部分が少なくて、野性味のある景色を楽しめるのです。


ランスブールという標高1300m台の町に車を停めます。春の終わりに峠道がオープンし始めて、第一弾で登ったモン・スニ峠道が始まる町です。
イズラン峠道が実質的に始まるのは標高1800m台の村なのですが、遠くから来て、そんなギリギリの村から登るのはもったいないというか、元がとれません。


ランスブールからスタートした場合、こんな感じの坂道になります👇

ヒルクライムの専門サイト「アルプ・フォーエバー」より。
距離は片道約33㎞。
高低差は行きが1454m、往復で約1600mということになるようです。


出発地点のランスブールの町にあった「峠道オープンしています」の看板。
この日は確か、再開通して10日後くらいだったと思います。この冬・春はフランスは例外的に雪の少ない年だったので、通常よりも2週間近く早い開通になったとのことでした。


この1週間前の週末がかなり猛暑だったのに対して、この週末はありがたいことに普通の気温でした。つまり、標高2700m台では寒いということが予想されます。風が強いかもしれないし、上着を2枚用意しました。漕ぐのに邪魔にならないようコンパクトに、自転車に結び付けるのに結構時間を費やしました(;^_^A


秋に来た時は、この村を出発した時点で3℃しかなく、しかも強風。日向に出るまで1時間くらい、凍えつつ漕ぎ漕ぎしてたのでした。


前回は峠に着くまでに2回足つきしたので、今回は1回以内で登れたらいいな、と考えています。それに、今回は平たいところではダラダラと漕がないで、急斜面以外は出来るだけ早く走ろう、と決めました。


出発して間もなく結構急なところが続きます。これは一応、峠なんです😂つまり、ここは帰りに登ることになるイヤーな地点です…


そのあとは少々のアップダウンはあるものの、ほとんど傾斜が感じられない道路を延々と漕ぎます。1時間6分で、峠道が実質的に始まるボヌヴァルという村に到着しました。
自転車アプリのストラバによると、ここまで18,4㎞。高低差では380mということです。
前回は、この時点で既にかなり疲れていた気がするんですが、今回はまだ全然平気です。まあ、大して登ってないので当然といったら当然なんですけどね😅
この後、峠まで15㎞。高低差では約1000mを登ることになります。


前回死にそうになってた地点いくつかをそれなりにしんどいながらも通過。標高がどんどん上がっていきます。え、これもしかして、足つきなしで峠まで行けるんと違うの?と大それた考えが頭をよぎりつつあったのですが、そうは甘くはありませんでした_| ̄|○


2300m台くらいからどうしようもなくキツくなってきました。ヘトヘトになりながら「どこで足つきしよう・・・」と考えながら漕いでいたら、後ろからいい音が聞こえてきました。
ビュンビュンっと青いアルピーヌ数台が連続で駆け抜けていきます。
「お、これだ!」


足つきしつつ、後ろから次々にやって来るスポーツカーを鑑賞いたしました。
アルピーヌといえば、圧倒的に青が多いですが(うちのデミたんと同じ色😊)、たまに別の色も。アルピーヌ以外のスポーツカーも混じっていました。


こちらは古いアルピーヌ。カッコいい\(^_^)/
この地点で4分ほど休憩、お水を飲んで、おやつもむさぼっておきました。
峠まであと約4㎞、300m(高低差)ちょっとくらいだったので、足つきは残念といえば残念ですが、まだまだ実力不足。仕方ありません。


着いた\(^_^)/\(^_^)/
出発地点のランスブールから2時間34分でした。
決して早くはないタイムですが(ストラバの全ての記録8058人中5838番、女子だと648人中314番)、前回はストラバやってなかったけれど、3時間以上かかっていたので😅だいぶ前進したと思います。


まだ午前中の比較的早い時間帯だったこともあり、峠はそこまで混んでいませんでした。
いくらかのバイカーさん達が看板の前で記念撮影をしています。


開通から10日ほど経っていたとはいえ、本当に雪がありません。
例年だと、まだ閉鎖されている時期です。峠道オープンから1~2週間ほどは道路から少し登って残雪で山スキーが出来るはずなのですが、今年は十分にスキーで滑れるほどの雪が残っているところは近くには全然ありませんでした。


後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。