フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

スペイン遠征2日目・本日の頂上へ

山スキーが上手なふたりの友人とスペインにスキーハイキングしに行った時のお話です。


避難小屋に泊まった翌日、ハイキング中にたまたま見つけた別の避難小屋前でお昼ご飯にしました。


ランチ後は、奥の峠を目指して再び登り始めます。


ガンガンに飛ばすEさん(・・;)
誰かさんを彷彿させます・・・
あ、わたしの山スキー師匠のOさんです。


負けじと必死で距離を縮めるわたし。
いや、競争と違うって(^▽^;)


熱くなったふたりに遅れをとってるYさん。


うわ、めっちゃ急になってきた~
ここ登りきると峠に着くような予感がする✨💦


違った~_| ̄|○
偽ピークならぬ、偽峠でした。結構よくあります(;^_^A
でも、本物の峠までもうすぐのようです。


着いたぁ~(*´▽`*)


こんな写真も出てきました。
手前の斜面、ズルズルと滑るのでスキー用アイゼンをはめていたようでした。日が経ちすぎてすっかり忘れていたけれど(^-^;
スキー用アイゼンは雪の表面が凍っているときによく使いますが、今回のように雪が柔らかい急斜面を登る時にも役に立ちます。



Eさんとおやつを食べていると、Yさんが到着しました。

ここから二人は左手にある山頂に登るといいます。上の方が結構岩が露出していたので、わたしは遠慮して右側のしっかりと雪が覆っている山頂に行くことにしました。そちらの方がだいぶ低くもあります。


これは先に登り始めたEさんが峠のYさんとわたしを撮ったものです。
左半分に写っているのがわたしの「本日の頂上」です( ̄▽ ̄;)


雪は柔らかくてよい状態です。
とっても滑りやすそう。


山頂にあっという間に着きそうです。
ふたりに付いていけばよかったかなとチラリと思いました。


不思議な足跡が(・・;)
鳥さんかとは思うのですが、あんまり見ないパターンの足跡です。


これはEさんが撮った山頂近くでの一枚。
モン・リュードという名前の、2517mの山頂だそうです。
ある程度馴染みのあるアルプスと違って、ピレネーは地名も山の名前も全て初めて聞くものばかりです。これはピレネーのスペイン側でしたが、フランス側であってもあまり変わりありません😓


わたしのほうが先に峠に戻ったので、山頂から下りてきたYさんを撮ってあげることが出来ました。


前を行くEさんと、少し後ろのYさん。
ふたりとも上手でカッコいいです♩
この後、さきほど登ってきた峠を下ります。


Eさん撮影の一枚。
奥の峠から滑り降りてきました。
ここ、とっても気持ち良かったです✨


ひとつ上の写真の真ん中らへんくらいでわたしが撮ったものだったと思います。
写っているのはYさんです。
地形をよく知っている、また経験も一番豊富なEさんがほとんどのところで一番前を滑っていました。


夕方~夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ピレネーで貸し切り山スキー

友人ふたりとピレネー山脈のスペイン側で避難小屋に2泊して山スキーをした時のお話です。1日目は、避難小屋近くでスノーモービルを乗り回していたカップル以外は誰にも出会いませんでした。

そして、なんと2日目も朝から夕方までハイキングをして、誰ともすれ違うことはありませんでした。


避難小屋から1時間弱登ってきた稜線。
小屋の周辺はスノーモービルの跡だらけでしたが、稜線以降は誰かが登ったトレースも滑った跡もゼロだということに驚かされます。
新雪の翌日とかならまだしも、この時期は確か2週間以上雪が降っていなかったはずなのです。ピレネーはアルプスに比べてスキーヤー密度が低いのでしょうか・・・


EさんとYさん。
わたし達のトレース以外は動物の足跡のみです。


足跡の写真を撮るEさん。
環境保護関係のNPOの活動をしていて、スキーやMTBの趣味の時間にもいろいろ観察するんだそうです。


初ピレネーが嬉しすぎるわたし(*^^)v
少し前まではこんなところに山スキーで来られるなんて考えもしませんでした。


地形と雪の状態を確かめつつ、滑り下りるコースを考えるEさん。
山スキーの経験が豊富なので信頼しきってます(^▽^;)


2週間以上も前の雪にしては全体的に状態は悪くないものの、地形によって日の当たり方、風の当たり方が違うため柔らかいところ、硬いところ、柔らかいように見えて、ほんの4,5センチ下は凍っているところ・・・などと色々です。
遠くから見た雪の色?や模様からでも、雪の状態が大体想像できるものだと最近ようやく分かってきました。今までは下りていく先の地形を見るだけで必死で、そこまで余裕がありませんでした(;^_^A


下りてくるわたしをEさんが撮ってくれていました。


平たいところに到着して、下りてきた斜面を見上げて。
わたしにとっては難関な急斜面でしたが、雪の状態が良かったのに助けられました。まだ日陰になっていることからも分かると思いますが、北向きの斜面なのです。日当たりがよい斜面ほど表面がよく融け、それが夜には凍る、と繰り返すので状態が悪くなりやすいのです。


平たいところを少し歩いたあと。また登ります。当然、また滑り止めを貼りました。


おなじみのジグザグ登りです。
この日は3,4度滑ったり、また登ったりを繰り返しました。


正面の中央やや右の切れ目みたいになっているところから、奥へと進むようです。


切れ目っぽいところから奥に進みました。
さらに正面のお山の左、峠っぽくなったところを越えるんだそうです。
この少し左側に目を向けると・・・


あれっ?
小屋が2軒ありますよ?避難小屋好きなEさん??


遠回りになるのに、もちろん見に行くEさん( ̄▽ ̄;)
当然ですよね♩避難小屋好きが見逃すはずがありません。
わたしも気になる✨
遠くから見ていると、木でできた左の小屋が羊飼い小屋(放牧期以外は避難小屋として使えるかも、な)でその右の石造りのほうが放牧に必要なものを片付ける物置小屋かな、と思ってたのですが・・・


こちらの小屋は物置きでした。


んじゃ、愛想のない!?こっちが・・・?


ドキドキの瞬間です。
あ、鍵はかかっていない✨


質素ながら、避難小屋として使えるようです。
屋根裏チェックしてるわたし(^▽^;)
これはEさんが撮っていたものを後日送ってきてくれました。


屋根裏、こんなでした。


ここもわたし達が泊っている小屋同様に暖炉がありました。


注意書きのようなものがありました。
あいにくスペイン語は全然分からないのですが、おそらくきれいに使いましょう、的なことが書かれているんだと想像します。


Eさんとわたしのスキー。
トゥールーズに住んでいるので、ピレネーは十分に活動範囲内だというEさんは「泊まりに行きたい避難小屋」リストに入った、と言ってました。


途中、ペースダウンしてついてきていなかったYさんもやって来たので小屋前でお昼ご飯にすることにしました。


チーズがうちから持って来たもので、ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ、それと知人が作っているチーズです。それ以外はスペインに着いてから買いました。


半端なくおいしい生ハムをパンに乗せて。
小ぶりなドライいちじく、そしてトゥロンと呼ばれるカタローニャ地方名産のヌガー。
いつもと同じで手抜きご飯だけど、いっぱい歩いてお腹が空いているし、きれいな景色を見ながらだと最高においしく感じられます。


午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ピレネーの雪の避難小屋で友達ふたりと迎える朝

山友のふたりとスペイン側のピレネーにスキーハイキングしに行った時のお話です。


合宿中のお宿は、標高約2000mの地点にあるウイシェラ避難小屋。
トゥールーズ在住でピレネーに詳しい、そして避難小屋マニアのEさんが夏に泊ったことのある小屋でした。


昨日は寝たのが1時を過ぎていました。
まだふたりが寝ているので、そーっと起きて外に出ました。
ピレネーのお山と朝日でピンク色に染まる空が美しく、しばらく小屋の前にいました。


避難小屋の窓ガラスにお山が映っています。
夏の放牧期間には羊飼いさんが滞在する小屋なんだそうです。


少し離れて。
こんなに小さな小屋なんです。4、5人も泊まったら満員御礼になってしまいますが、幸いわたし達だけでした。
小屋は小さいのに、結構大きな煙突が。暖炉があるということが外から見ても分かります。アルプスの避難小屋では薪ストーブのことが多く、暖炉のある小屋はあまり見たことがありません。


寒くなってきて小屋に戻りましたが、小屋の中も外とあまり変わらない寒さで、気温を確認するとマイナス3度でした。
男子が起きてくる気配もないので、自分で暖炉に火を点けることにしました。
小さな枝をピラミッド状に立て、その中に置いた丸めた紙(パンの袋を使いました)に火を点けると、ふわっと燃え上がります。


徐々にもう少し大きな枝をくべ、火が安定してきたところで昨夜、寝る直前にくべて燃え尽きてなかった大きな木を加えました。
しばらくすると、ふたりが「あったかい空気が上がってきたよ。ありがとう」と屋根裏から降りてきました。
ただし、暖かくなったといっても、避難小屋内の気温は0度よりも上がることはありませんでした🥶


朝ご飯タイムです。
インスタもブログもしていないため、映えという言葉は知らないふたり(;^_^A
めちゃくちゃなテーブルもリアリティがあっていいでしょう!?


わたしの朝ご飯はこれです。
前夜にスペインに入ってからスーパーで買ったパン。工場生産のものでしたが、結構おいしかったです。個別包装の蜂蜜はうちから持って来たものです。おいしくはないんですけど、軽さ優先です・・・と思ってたら、Yさんが普通に自宅で食べてる瓶に入った蜂蜜を持って来ていたのにはびっくりしました。


Yさんは暖炉でバンを焼いてました。
ただし、焼けるという状態をすっ飛ばして直接焦げてました(;^_^A


さて、朝ご飯をゆったりと食べて後片付けを済ませるとハイキングに出発です。
泊まりのハイキングにも慣れていて最小限の荷物で来てるわたしはパッキングが早いんですが、ふたりがまだ終わっていないので待っています。
さて、ここでよく見てください。
上の写真のズームです👇

ほぼ毎週末、日帰りまたは泊りで山スキーしてるEさん。パッキングはほぼ完了しています。


問題はこちらです。
なんでか、常に準備に手間取るYさん。まだ全然です(;´Д`)
これ、全部ザックに入らないよね?いらないものもあるよね?
で、何してんの・・・?
「なんかぁ~、俺のビーコン、電池ないみたい」_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○
そういうことは、うちを出発する前に確認してください(T_T)
昨日の朝、民宿を出る時も荷物がまとまらず、おまけに「俺、スキーのズボン忘れたみたい」と大騒ぎしてたのでした。すぐにEさんが別の部屋で見つけたんですけどね(^-^;


向かう方角はYさんも分かってるようなので、Eさんとふたりで先にゆっくりと歩き始めることにしました。
ジグザグに登っているのは、前日夕方に気温が高くて雪が柔らかくなり過ぎて登りにくかった斜面。今朝は逆に、夜間に凍った表面がまだ融けておらず、スキーがツルツルと滑りやすい状態です。


クト―(ナイフの意味)とフランス語で呼ばれる、スキー用のアイゼンを付けることにしました。ビンディングの金具にひっ掛けるだけなので、ものの数秒で装着することができます。雪によく引っ掛かるので、歩く速度は落ちるけど滑る心配なしに登れるのです。


Eさんに撮ってもらいました。


これはフランス語でコンヴェルション、日本ではキックターンと呼ばれる登るジグザグの向きを変えるテクニックです。
傾斜が緩い場合、なんとなくカーブを描く感じで向きを変えることができますが、30度くらい以上になってくると、鋭角にバチっと向きを変えることが必要となってきます。これを今までちゃんとマスターせずに適当に行き当たりばったりな足の動きでやってきていたのですが、Eさんが「君、これちゃんとできんかったらあかんよ」とこの急斜面で徹底的にレッスンしてくれました。


わたしの山スキーの師匠、Oさんも今まで幾度となく教えてはくれていたのですが、イマイチ気の短い性格なため!?やり方は見せてくれても、すぐに先に進んでしまうのできちんとマスターできずにいたのでした。
Eさんは面倒くさがることもなく、この長い斜面の20回くらいのコンヴェルションをみっちり付き合ってくれ、その結果、無駄な動きなしにちゃんとできるようになりました(^^)v



斜面の傾斜は最後は緩やかに。


斜面を登り終わると、稜線部分に到着しました。


雪が柔らかい&斜面でもないので、もうアイゼンの必要はありません。
外すのも一瞬です(^^♪
ここで、急いで登ってきたYさんが合流しました。


Eさんが自分の携帯で撮って後日送ってきてくれた写真です。


お昼~午後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。