フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

お気に入りの避難小屋で過ごす午後

昨秋に2泊した、中々いい感じの避難小屋にスキーハイキングで泊まりに来たときのお話です。


標高2000mちょいの地点に立っているラ・ジャス避難小屋。
夏の放牧期間には羊飼いさんが寝泊まりすることもある小屋らしく、屋内には放牧に必要な道具が片付けてありました。
この小屋は、数年前からハイキング中に何度か通りがかったことはあったのですが、実際に泊まったのは昨年の9月が初めてでした。
朝の避難小屋前にて👇

朝日に照らされる草紅葉が進んだ地面と山肌が美しかったです。
その時は2泊して、正面真ん中のお山、山塊最高峰になるル・タイユフェール(2857m)に登ったのでした。


一番初めに通りがかった時の写真も載せておきます。
2017年4月下旬でした👇

この次の年に改装工事が行われ、今のような外観になったようです。


シュラフなど、要らないものを少し出して軽くなりました。
今から少しお散歩に行こうと思います。考えていた2500m台のお山は日当たりが良過ぎて雪解けが進み、地面が露出し過ぎていたのでスキーで下りることは難しそうでした。
もう少し手前の稜線はここから見る限り真っ白なので、そちら辺りを適当に目指して登っていきました。


30~40分ほど、避難小屋の裏の斜面を登っていきました。
平たいところに着くと、ものすごい風です(>_<)
恐ろしい風の音を動画で感じてください。
👇ぐるっと360度、13秒間です。

Une rafale sur le plateau des lac
 もう少し奥まで進みたかったのですが、完全に心折れました_| ̄|○
ここで避難小屋まで引き返すことにします。


しょっちゅう風が吹き荒れる場所なのでしょう、雪が吹き飛ばされて薄くなり、決して滑りやすい雪ではありませんでしたが、新しいスキー板は今まで使っていた60㎜幅よりも広めの76㎜、重さも690g→1000g、と安定は良いはずです。確かにちょっといい感じがしました(多分😅)。


避難小屋に戻ってきました。
小屋の外には磁石と温度計の着いたキーホルダーが置いてあり、12度くらいあります。
これは先月にお話なのですが、2月にしては暖かい週末だったのを覚えています。
キーホルダーは小屋に泊っている男の子たちのものでした。


登った先でおやつタイムにしようとジェットボイルなどを持って行ってたのですが、強風でお茶どころではありませんでした(;^_^A
ここは風が少なくて、寒くないのでお湯を沸かして飲み物を作ることにします。
小屋から少し歩いたところに小川が流れているのですが、あいにく雪の下です。少し残っている水に雪を足しました。


お日様のある間は小屋内よりも外の方が暖かいので、日向ぼっこしながらおやつにしました。インスタントコーヒーかお茶かハーブティーか、日が経ちすぎて何を飲んだのかすっかり忘れてしまいました💦


1月末に遠征したスペインで買った、オリーブオイルを使った薄甘いお煎餅。
2パック買って帰ったので、この時点でまだいくらか残っていました。次男にも味見させましたが「うーん、おいしいことはおいしいけど、大好きな感じではない・・・」とモゴモゴ言っていたので、遠慮なくひとりで消費しました。


こないだも書きましたが、食べるたびに気になるお姉さんのイラスト。
「この点線で半分に折って、こうやって欠片まで残さずに食べろよ」の押しつけがましいメッセージ入りです(読めないけど多分)。見るたびにイラストの人がわたしに似ているような気がしてなりません・・・


自分ち感覚で小屋前でまったりしていると、ソロスキーヤーさんが登ってきたので、しばらくお話しました。少し遠い地方から来られた方で、地元の山岳協会のリーダーをされているんだとか。この冬のうちに、小屋から近い前述の山塊最高峰のお山にグループを引き連れてやって来る予定なので、今日は下見に来たとおっしゃっていました。


男性が行ってしまってから、わたしも小屋に一度戻りました。
ここの避難小屋の魅力は何といっても、立地条件です。
このように出入り口からの景色も最高なのです。


小屋内のチェックでもしてみよう・・・

食器とかロウソクとか。
写真には撮らなかったけど、お鍋やフライパンもあります。


ゴミ袋、洗濯ばさみ、洗剤、トイレットペーパー。
そして大事なもの、ノコギリ。薪ストーブに入れる木を切るのに不可欠です。


食料品もいくらかあります。
缶詰とか・・・


食品が入っている透明のプラスチック容器は、ウォーターサーバーのボトルです。
泊まった人が余った食料を置いて行って、必要な人が使えるようになっています。
冬場はいないかもしれないけど、避難小屋には大抵ネズミが出るので、食べられないようにきちんと戸が閉まる棚や、容器に入れておく必要があるのです。


ビスケットやパスタ、粉末のインスタントスープなど。
おっ、オイルサーディン。ひまわり油でなくオリーブオイル漬けの高いやつだ・・・


食べかけのチョコレートケーキ?💦
しかも手作りっぽい(;´Д`)💦
こわ・・・


ジャガイモが置いてある(^-^;
男の子たちに後に聞いてみたけど、彼らが持って来たのではないと言ってました。
そして彼らいわく、ネズミは全然出ないそうでした。


夕方~夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

避難小屋みつかってホッ

先月、新調したばかりのスキー板を持って一泊スキーハイキングに出掛けた時のお話です。


駐車場から800mほど登った見晴らしの良いところでお昼ご飯にしました。
高低差800mというと、2時間もかからないかな、と思われるでしょうが、スキーを脱いだり履いたりの林道が長く、その後もトレースがなくてベストではないかもしれないところから様子を見つつ登ってきたので3時間近くかかりました(;^_^A
9秒間の動画でぐるっと景色をご覧ください
👇

Près du Refuge du Taillefer
日が経ちすぎてすっかり忘れていましたが、動画を見て思い出しました。
着いた時はそうでもなかったけれど、ご飯を食べ終わる頃にはかなり風が強くなってきたのでした。


新しいスキーは、前のものとシール(滑り止め)のシステムも少し違います。板の上部には四角い輪っかを引っ掛けるようになっていて、下の部分には「J」の形の部品を引っ掛けるようになっています。
わたしが使っていた板のシールはもっとシンプルで軽い代わりに、端っこが剥がれやすいという欠点がありました。


剥がした後は、くっつく面にプラスチックの保護シートを貼る人が多いのですが、わたしは今までの習慣で二つ折りにします。レンタル屋さんでもこうやってたし、専用の袋に入れるので、埃などが付く心配は特にないと思います。


夏のハイキングコース用の行き先看板が近くにありました。
後方に見えているのは営業山小屋(ヒュッテ)です。今の時期は管理人さんがいなくて、閉まっています。わたしが泊まるつもりの避難小屋はここから結構近くですが、行き先看板には書いてありません。
メインハイキングコース上にあるわけではなく、しかも吹きさらしにならない、ちょっと隠れた場所に建っていて遠くから見えないので、見つかるかドキドキしています。
秋に泊まった時も最初、見つけられなかったのです(;´・ω・)



それでも、9月に来た時からそんなに日が経っていないので、何となくは覚えています。
そちらに向かって下り始めました。


小川が流れている地点があり、近づいていくと、ふたりの若い男の子がいました。
その瞬間👇

Vers le ruisseau
この日出会う初めてのハイキング客でした。スキーではなくてスノーシューを履いています。避難小屋に今から行くというと、なんと彼らは既に2泊していて、今晩が最後の夜なんだそうです。
「避難小屋、見つけにくくなかった?」と聞くと、
「全く!最初見つけられなくてちょっと探したよ。でも今、小屋から歩いて来たから僕らのトレースについていったら、到着するよ」


小川を渡った後、振り返って。
少し登らないといけなかったのでハの字で進みました。
ふたりは写真を撮るのが好きだそうで、ちょっと良い目のコンパクトデジカメを持っていて、川面の写真を撮りまくっていました。


ふたりのスノーシューのトレース通りだと、かなりアップダウンの多い場所を通ることになるので、なんとなく平行してアップダウンのほとんどないところを選んで進んでいくと・・・


避難小屋、あった!!嬉しい♩の瞬間です。
👇到着する直前、15秒間の動画です。

Bergerie de la Jasse l’arrivée
心底ほっとしました(;^_^A


後ろが小高くなっているせいで、上から見ても見えないんです。
山頂だとか湖だとか、ハイキングの目的地にたどり着けなくても、残念なだけで特に問題はありませんが、泊まる予定の小屋が見つからないのは、かなり悪夢です・・・


わーい\(^_^)/
ラ・ジャス避難小屋、標高2010mになります。
Cabane(小屋)またはBergerie(羊飼い小屋)と呼ばれ、夏の放牧期間には羊飼いさんが滞在することもあるようです。


中は結構広く、屋根裏はない一部屋のみの造りになっています。
テーブルの上は男の子たちの持ち物でしょう。わたしは小屋に戻ってくる予定の時でも、自分の持ち物はまとめていくけど(;^_^A  
もう2泊もしていて、ふたりだけだったからもう誰も来ないと思ったのかもしれませんね。



マットレスが吊るしてあるのは、この辺りは湖がたくさんあり湿原のようになっているせいで、小屋の中は湿度がひどく、何でも湿りがちだからなようです。


薪ストーブに乗せてある木の枝は男の子たちが前日に拾いに行ったものだそうです。
森林限界は越えているし、森は少し遠いのですが、少し歩くといくらか枯れ木があると前回来た時に知りました。


ピンボケ失礼😓ベッドは2段ベッドになっていて、8人か、詰めたら10人くらいまでは寝られそうな広さがあります。
この後、次々に宿泊客が到着するとはあまり思えないけれど、分かりません。避難小屋に着いて、まずすることのひとつは寝床の場所取りです(^-^;
営業山小屋と違って予約できないから、早いもの勝ち的な感じなのです。もちろん、多少人数オーバーになったくらいなら、詰めて後から来た人も何とか寝られるようにするのが常識というか良識だと思っています。
男の子たちが上段に寝床を構えていたので、下の段の隅っこにマットレスを一枚敷いて、シュラフを広げました。もちろん冬用シュラフです。場所取り完了♩


ベッドの横には羊の放牧時に使うと見られるネットや電気柵がありました。
この小屋に泊まるのは2度目、2、3度通りがかったことも別にありますが、冬だったり春の終わりや秋で、夏の放牧シーズン(大体6月半ばから9月半ば)に来たことは一度もないため、羊飼いさんがいることは一度もありませんでした。


午後~夕方編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

ロードバイク、続けています

先月の一泊スキーハイキング記を書き始めたところですが、今日は別のお話を挟みます。
暖かくなってきたので自転車を再開したことをこないだ書きました。


冬の間、ほとんど乗っていなかったので、元々大したことない脚力がさらに低下しているのは確実です(>_<)
昨秋くらいのレベルまでは戻したいので、日曜の朝、先週と同じコースを走ってきました。距離約65㎞、高低差約800mの中距離コースで、半分は町中、半分は山道。
山道というのは、リヨン郊外の丘陵地モン・デュ・リヨネ地方です。そう遠くないので、うちから車に乗らずに直接行けるのがいいです。


森の中の地味な峠(;^_^Aをふたつ
一つ目の峠まで、先週はうちから1時間28分だったのが昨日は1時間22分で来られました\(^_^)/


一つ目の峠から二つ目の峠へと向かう途中の見晴らしの良い道路。残念ながらこのあとまた視界ゼロの森の中に入ってしまいます(;´Д`)
二つ目の峠まではすぐで、そのあとさらに道路は上り坂になります。


これはその上り坂の最後辺り。
この後は下りばかりで寒いので上着を着るために立ち止まってると、後ろから年配のカッコいい女性サイクリストさんが挨拶しつつ走り去っていきました。昨日は合計おそらく50人くらいすれ違ったサイクリストさんのうち、女性はふたり。山スキーもですが女性にも人気があるとい聞くわりに、女性の占める割合は1割にも満たない印象です。


最後に少し大きめの村を通過し、あとはひたすら下り坂です。


たまに集落というか、農家や民家が少し集まった場所を通るくらいで、大都市リヨンから20㎞くらいしか離れていないとは思えないのどかさ。
通行車両はほとんどなくて、道路の状態も良くとっても走りやすい道です。わたしが登る峠道に比べると勾配が緩やかでカーブもゆったりとしており、気持ちの良いダウンヒルなのです。


地面のあちこちに白いプリムラが咲き乱れていました。


こちらもプリムラの仲間で、「オレイユ・ドゥルス(熊の耳)」と呼ばれるお花です。


ダウンヒルの最後らへん。
この後、モン・デュ・リヨネ地方の中心の町のひとつ、ヴォニュレーを通過し、あとはひたすらリヨンまでまっすぐです。日曜のお昼前ということで、途中にいくつかある町を通過するときはお菓子屋さんやパン屋さん、スーパーなどに買い物に行く人の車で少々つかえていました。


自転車などのアウトドアアクティヴィティのアプリ、ストラ―ヴァ(無料バージョン)の記録です、
全く同じコースのつもりなんですが、距離や獲得標高(高低差)が微妙に違うのは置いといて(;^_^A
先週3時間7分かかっているのが、今週は3時間1分でした。先週は風が強かったのもあるかもしれません、でも少しでも減っているのは嬉しいことです。
900キロカロリー前後も消費してくれるみたいなので、晩ご飯はこれでした♩


ボーフォールを切って・・・


サヴォワワインを開けて・・・


溶かしこんで・・・


お客さんもなく、長男はこの冬からブダペストに短期留学していて次男と二人っきりなんですけど、チーズフォンデュしました(^▽^;)


ふたりだからって、あんまり少ない量だと寂しいので500gちょっとのボーフォールを使いました。幸せ(*´▽`*)


次回は一泊スキーハイキング記の続きになります。
お読みいただいてありがとうございました。