フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

だいぶ怖いことが起こった・前編

先月半ばに起こったちょっとした悪夢について書こうと思います。


この日の少し前にも来たお気に入りの稜線のある山に舞い戻ってきました。
昨シーズンから何度も来ていて地形をよく知っているし、ある程度スキーヤーさんも来るのでひとりで行くときは安心だからです。


まずは川まで下りて谷の反対側に渡ります。
昨シーズンは毎回隣村から出発していましたが、前回来た時に初めてこちらの村から歩き始めました。ここからの方が距離でも高低差でも近くなります。


橋を渡ったあと振り返って。この地点が1660m、向かうのは2600m台の稜線です。


全回に来た時は駐車場での気温がマイナス8度でした。
今日はマイナス5度と少し高い目です。ちなみに821という数字は気圧で気温と同時に表示されるのです。時間は10時半でした。


登り始め。
先日きた時よりもトレースの幅が広くなっています。スキーのトレースが大半ですが、たまにスノーシューのトレースを見かけることもあります。


森の中を林道が走っていて、それをショートカットしつつ登っていきます。
この辺りの林道はクロスカントリーのコースになっているため、基本的に通らないのがルールで、止むを得ず通る時はクロカンのスキーヤーさんの邪魔にならないよう端っこの方を歩きます。それ以前の問題として林道は勾配が緩いぶん時間がかかるので、できる限りショートカットして登ることが多いです。


森を抜け、木がまばらになってきた地点。
この辺りはほとんどがカラマツです。


小屋のある地点まで登ってきました。
こちらは夏に羊の放牧をするときの電気柵などの用具をストックしておく納屋的な小屋です。


そして、そこから少し先にあるのが、my別荘扱いしている羊飼い小屋です。
駐車場から600mほど登ったことになります。ジャスト1時間でした。


11時半。ランチでも良かったんですが、デザートのつもりで持ってきたクロワッサンとチョコレート入りブリオッシュでおやつ休憩することにしました。ランチは稜線で食べよう・・・風が心配だけど。前回来た時は無風でしたが、強風のことも多いです。


インスタントコーヒーをいれました。
ああ幸せ・・・


ぽかぽかと暖かいな、と思ったら2,8度もあります。お日様がさんさんと当たって、もっと暖かく感じられました。
おやつのあとは稜線に向かいます。羊飼い小屋から稜線は高低差で400mちょっとくらい。1時間もかからないくらいです。


稜線に到着する直前。
二人組の男性スキーヤーさんが少し前をずっと歩いていて、抜かせそうで抜かせませんでした(^-^;


このおふたりです。
オレンジの服の方としばらくおしゃべりしました。


その方が撮ってくださいました。
わたしもお返しに撮ってあげました。


おふたりが行ってしまったし、ランチにするか…
おなじみの手抜きご飯です😅
嬉しいことに風はほとんどありませんでした。


この日のインスタントスープはトマト味のものでした。


ランチの後片付けをし、下りる準備をして、さあ出発♩というときに悲劇は起こりました。山スキーのビンディングは登る時は前だけ、下りる時は前と後ろ両方をスキー靴にはめるのですが、片足はスキー履けました。
もう片方も前ははまった、後ろをはめようとして・・・
👇

My ski is gone
スキーが勝手に滑って行ってしまいましたΣ( ̄□ ̄|||) 
前がちゃんとはまっていなかったみたい💦
中古で買って間もないGoproが活躍してしまい本望です😓


スキーが離れていった瞬間😭
動画からキャプチャーした写真です。


するするとかなりのスピードで滑っていきます💦


ポーンと飛んだあと、視界から消えてなくなりました。
う。うそぉお~~(;゚Д゚)


後編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

わんこと雪山頂上へ

先月中旬、雪がたっぷりあった時期に友人Oさんとその愛犬、ボースロン(品種)のラフィちゃんとスキーで半日ハイキングに行った時のお話です。


ラッセル中のラフィちゃん(^-^;
雪が大好きです。ボースロンという品種は暑さには弱く、寒さには強いんだそうです。


駐車場からアップダウンを数えずに600mほど登って峠に着きました。時間にして1時間20分ほどでした。
写真右下に峠のハイキング標識が経っているのが見えます。
さて、ここから頂上までは高低差で100mほどなのですが、これが大変でした💦


峠から頂上まではとっても急です( ゚Д゚)
スキーで登った人たちのジグザクのトレースがあるので続きます。


ここ・・・わたし、スキーで下りれるの!?(◎_◎)


急斜面なので、ジグザクの角度がかなり鋭角になります。
登っているとき、下りているときに関わらず、立った姿勢でスキーの向きを変えることをフランス語でコンヴェルション、日本語ではキックターンというみたいですが、この時期まだちゃんとマスターしきれていなかったのでかなり苦労しました。
ちなみに、コンヴェルションは先日のスペイン山スキー合宿で完璧にできるようになりました\(^_^)/


一足先に頂上に到着したOさんとラフィちゃんを見上げて。
何?この急な斜面は(;´Д`)


ヒーヒーいってようやく到着しました。
ル・パラストル(2278m)頂上。駐車場からアップダウンは数えずに750mほど登ったことになります。
って、もうOさん下りる準備(スキーの滑り止め剥がしてる)中だし💦


そうでした、今日は午後から予定があって11時には駐車場に着いておきたいのでした。
わたしが峠から頂上まで時間がかかってしまって(20分以上かかった・・・Oさんなら10分もかからないと思う)ギリギリになってきました。
それでも一応頂上からの写真は撮ります(^-^;
写真の右手に下りていくことになります。


正面左手の稜線の一番高いところも、山スキーで登ることが出来るポピュラーな山頂です。高低差でも距離でもここよりも結構あるので、半日では厳しい(Oさんひとりなら余裕)です。


頂上の十字架。足元に見える黒いのはラフィちゃんです( ̄▽ ̄;)


下りる前に一枚撮ってもらいました。


峠までがめっちゃ急な他は、大体なだらかな斜面です。
急な部分はちょっとビビりましたが、柔らかい雪がたっぷりめにあったので、スピードがあまり出ず、転ぶことなしに下りることが出来ました。


少し前に中古で購入したGoproで撮影してみました。
👇

わんことスキー 1
ちょっと長くて42秒あります。


こっちは短いです
👇

わんことスキー2
こちらは16秒ほどです。


Goproの動画はあるし、ただでさえ急いでいたので駐車場までの写真はゼロです(;^_^A
まあ急いでなかったとしても、スキーで滑り下りてるときって写真撮りにくいんですよね、いちいち立ち止まって手袋を外さないといけないので・・・ 


駐車場に戻ると、隣に停まっていた車のおふたりもちょうど下りてきたところでした。片方の方は、フランスで2番目に標高の高い峠道、アニエル峠近くにある山小屋の管理人さんでした。Oさんいわく、色んな山で山スキー中に出会ったことがあるそうです(^-^; よっぽど山が好きで仕方ないんでしょうね✨


半日のお手軽ハイキングでしたが、いい雪とお天気に恵まれてとっても楽しいお出掛けになりました。
お読みいただいてありがとうございました。

わんことスキー・たっぷりと雪があった日

先月の中旬、雪が降って数日後に友人Oさんとスキーしに行った時のお話です。


午後からOさんが用事があるので朝早くの出発になりました。
先月は朝の8時前だとまだ薄暗かったです。


Oさんの愛犬、ラフィちゃんも一緒です。
どこかに行くが好きなので、車のドアを開けると飛び乗ってきます(^-^;


駐車場に着いたのは8時半くらいでした。
既に2,3台の車が停まっています。スキー板にシール(滑り止め)を貼るなど出発準備をします。


さて、出発です。
駐車場から直接スキーを履いて歩けることは、真冬だと普通のことだと思っていましたが、この日の数日前に雪が積もった後、フレンチアルプス南部ではこれといった積雪がないので、おそらく今ではこの辺りも土が出てきてしまっていることだと思います。


どんどん歩いて行ってしまうOさんとラフィちゃん。
怪我したとか、スキーや靴などに問題があるといった理由で遅れてるのでなければ、あまり待ってくれません💦


この時期、お山地方に限らずフランス全体冷え込んでいました。この日の朝もマイナス9度で手袋をしていても指の感覚がありません。特に寒がりではないOさんもスキーで下りる時用の分厚い手袋を出してきていました。


幸い、体は歩いているとそこそこ温まってきました。
早く日向に出た~い!


ここで難関が待っていました。


川が中半端に凍っています。通常なら真冬だと完全に凍ってその上に雪が積もり、渡るのに問題はないらしいのですが、なにせ雪があまり降らないこの冬・・・
雪の上には何人かの人がスキーで歩いた跡があります。
周りを見渡しましたが、代わりに歩けるようなところはありません。


薄く凍った川面を歩くOさん。同時進行で表面の氷が割れていっていますΣ( ̄□ ̄|||)
仕方なくわたしも後に続きました。


かなり浅いのでなんとか渡れたけど・・・シールが濡れて湿ったため、雪がこびりついてしまいました。山スキーでは板を滑らせて歩くので、シールの表面が乾いていてツルツルでないと歩きにくいのです。


わたしのストックはスノーバスケット(先に付いてる輪っかみたいなの)が丸いのですが、Oさんのは三角っぽい形をしているので、その一辺で雪をこそぎ落としてくれました。
気温が高い時や、湿った雪の時にもシールに雪がこびり付く現象が見られます。


再び歩き出してしばらくすると、背後の谷からお日様が昇ってきました。


嬉しい(*´▽`*)
一気に日向になりました。


脱皮中( ̄▽ ̄;)
この日はほんとに寒かったので、いつもなら上着は中ぐらいの厚さのダウン一枚のところを薄手のダウン+ハードシェルという組み合わせで歩き始めたのですが、一気に2枚いらなくなりました。荷物になるなー・・・💦


雪が降って3、4日目のことだったと思います。
既に多くのスキーヤーさんが歩いたトレースがあり、楽ちんです。


わたしが後れをとると、心配して!?後戻りしてきてくれるラフィちゃん(^-^;
普段はよそよそしい子ですが、アウトドアでは積極的な性格になる気がします。


個性的な岩々のある地形のところに来ました。


左手の斜面を見ると、何人かのスキーヤーさんが軽やかに滑った跡が。
岩々はあるものの、岩壁みたいなことにはほとんどなっていないため、滑り下りることのできる可能性のある場所が無限にあるのでとても人気のあるスポットなようです。


この辺は結構急です。
上手に滑った人達の跡があるけど、わたしはこんなにきれいには滑れないな~😅


森林限界をいつの間にか越えていて、ほぼ木はなくなっていました。


峠が近づくにつれ、傾斜がきつめになってきました。
常にOさんとラフィちゃんはかなり前を歩いています。普段なら時々待っていてくれて、歩調をそれなりには合わせてくれるのですが、今日は11時半には駐車場に戻りたいため、「トロトロ登るなよ」というメッセージなのでしょうか、あまり待っていてくれません(-_-;)


わたしとOさんの間を常に行き来しているラフィちゃん。
雪が本当に大好きみたいで、新雪の深みに自らはまっていっています。
可愛い(#^^#)


後半に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。