フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

ちょっと大変だった下山編

冬だし他に宿泊客いないかも、と思ってやって来た昨秋に泊まったことのある避難小屋。
予想に反して美大生の男の子ふたりが先客としていました。
感じの良い子たちで、とても楽しい滞在になりました。


今日は曇り時々晴れという予報です。
朝の早い時間帯は雲海になってた下界の雲が上がって来て、上空の雲との境目が分かりにくくなってきました。要は曇ってきたという話です(^-^;


昨日は晴天で、2月にしては気温も高い目で午後は雪の表面が柔らかくなり、とてもスキーし易かったのです。曇りだと、雪が柔らかくなりにくいのが難点です。新雪に近い柔らかい雪なら、表面だけ多少硬くなっていても早く柔らかくなりますが、昨夜ほんの少しだけ降ったものの、積もったのはほんの2センチほどといったところでその下は古くて硬い雪です。
もう少しだけ待ってみようか、お日様が照ってくるかもしれないし・・・


雪のない林道歩きも長いから、駐車場まで結構かかるし早い目のお昼もここで食べちゃってから出発することにしました。ここから下りる途中の森や林道にピクニックに良さそうな場所はなさそうなのです。
昨日の夕食のつもりだったインスタントフォー。男の子たちが作った晩ご飯をいただいたため、余っていました。


ベランダのチャイブも持って来ていたのでした。
インスタントのフォーでもちょっと味が上がります(^^♪


チーズ(アボンダンス)やパン、チョコレート、バター、と余っていた食料も片付けていきます。残すはザックに常備しているシリアルバー3本ほどだけになりました。


快適な避難小屋にお別れして、下りていきます。
ありがとう、避難小屋✨


男の子たちは直接右下の斜面を下りていきました。
それは夏のハイキングコースなのですが、途中に多少アップダウンがあるので、スキー的には最初に少し上がって、残りはまとめて全部下りという方が助かります。避難小屋から少し上がって昨日登ってきた斜面から下りることにしました。


少し斜面を登って平たいところに着いて、振り返って。
さ、寒い!風が強いです。避難小屋はここも含め、大抵風が来にくい場所に作られているので気付きませんでした。
昨日の晩も吹き荒れていたのかもしれません。雪が吹き飛ばされて薄くカチコチになっています。もうお昼前なのにこれ・・・晴れてくる気配もないし、これ以上柔らかくなるのは望めないのかも。諦めてさっさと下りよう・・・


ここら辺はほぼ平らです。
まっすぐに進んで、右奥斜面を反対側に下りていきます。


下り始め。
め、めちゃくちゃ硬い(T_T)
5秒間の動画です。
特に、雪のガリガリ音を聞いていただきたくてUPしました。
👇

Taillefer dûre la neige
結構急だし雪はカチコチに固まっているので、エッジを利かせてて大きなトラバースを何往復もして下りました。あー怖・・・


緊張感を強いられた斜面をようやく滑り終わると森に近い緩やかな斜面になりました。
この辺りは雪が柔らかくて滑りやすかったです。
ひとつ前の動画との音の違いが対照的です。10秒間👇

Taillefer ça va mieux
それにしても、2月とは思えない雪の少なさでした。これは標高1700~1800m台だと思います。
ホッ、もつかの間。
この後、試練が待っていました。上の動画(写真)のずっと奥まで進むべきだったのですが、何となく左手の森に入ってしまったのです。多分、誰かの比較的新しいトレースがあったとか、そんな理由だと思うんですが、日が経ち過ぎてよく思い出せません💦


全然雪のないゾーンに来てしまいました(つд⊂)エーン
もちろん、いきなりこうなったのではなく、徐々に減ってきたのですが。
登り返して正しい、というか雪のある斜面から下りるのも面倒くさいので、スキーはザックに掛けてこのまま下りていくことにしました。


ハイキングコースでも何でもない急斜面です。
上の写真はちょっと広い場所に来たので嬉しくなって撮ったもので、大抵の場所では背負ったスキーが木に引っ掛かるので、座って枝の下をおしりでズルズルとくぐったりしつつ、必死で下りていきました。どこがスキーハイキングなんだかまるで分かりません。


幸い、何度も来ているエリアなので土地勘はあります。
道路が見えてきました。昨日歩いた林道です。もうちょっと木の間をすり抜けて下りていくか・・・


・・・と思っていたら、眼下に林道が✨
嬉しい💖歩きやすい(*´▽`*)


しばらく喜びを嚙み締めつつ歩いていると、愛車デミたんの待つ駐車場が見えてきました。


駐車場まで見えてきて、嬉しいので道がこんなことになっていても何とも思いません。


最終駐車場を通過します。
少しだけ雪はあったけどこっちまで来れてたのに、冬は絶対に無理という思い込みがあって一つ下の駐車場に停めてしまったのが悔しいです💦


ヘアピンカーブの連続なので、野原を横切ってショートカットしつつ下りていきます。
ちょっと急斜面にもなっているけど、さっき森の枝の下をズルズルとおしりで滑りつつ下りたことを思うと屁でもありません。


季節感ゼロのススキっぽい草の生えてる辺りまで下りてきたらもうすぐです。


わーい、おった✨
我が子💖


ただいま、デミたんε-(´∀`*)ホッ
山を下りてきた時、特に長い行程だったり、1泊だったりした後に再会するとさらに愛おしく思われます。帰りもよろしくねm(__)m


年末に息子たち二人とチーズフォンデュをした避難小屋、1月末のピレネー遠征に次いで今季3度目となった避難小屋泊スキーハイキング記はこれでおしまいです。
お読みいただいてありがとうございました。

避難小屋で迎える幻想的な朝

泊まるのが2度目のいい雰囲気の避難小屋で美大生の男の子ふたりと一緒になった時のお話です。先月のことなので(古い話ですみません)、まだかなり寒かったのですが、彼らが少し離れたところまで木を拾いに行って薪ストーブに火を入れてくれたので暖かい夜を過ごすことが出来ました。


朝、起きてドアを開けると目の前がすごい雲海になっていました。
お山で目を覚ます醍醐味とも言えます。


ガラスの内側の蒸気が凍っています。
昨日の晩は薪ストーブのおかげで、全然寒い思いをせずに寝ることが出来ました。
シュラフも冬用のものでしたが、この避難小屋には毛布も少しあるので、夏用のものでも大丈夫だったかもしれません。でも営業山小屋(ヒュッテ)と違って、他に宿泊客が何人いるのか、毛布を使う人がいるのかは来るまで全然分からないので、安全策として冬用のものを持って来ました。


昨日の夜は暖かかったけれど、小屋内の温度は0℃まで下がっていました(;^_^A
ちなみにわたしの冬用のシュラフはマイナス5度までOKのやつです。


薪ストーブの上に掛けておいた濡れた手袋と靴下、乾いてる、嬉しい♩


男の子たちはまだ寝ています。
暖かい飲み物が欲しいので水を作るために外に雪を取りに行きました。


わたしのスキーと男の子たちのスノーシュー。
夜中にちょっとだけ雪が降ったようです。


空が少しずつ明るくなってきました。
さっきはくっきりとしていた雲海、上空の雲との境界線があいまいになってきました。
昨日は晴天でしたが、今日は曇り時々晴れという天気予報です。


小屋に戻ると、男の子たちはまだベッドの中だけどもう目を覚ましていたので、遠慮なく朝ご飯の準備をさせてもらいました。ここの小屋は一部屋しかないので、誰か寝ているとゴソゴソしにくいんですよね・・・屋根裏が寝室になっている小屋だと、寝ている人がいても物音をあまり気にせずに行動することが出来るのですが。


バターとジャムを持って来ました♩


ここの避難小屋はガスボンベがあり、コンロを使うことが出来ます。ただ、ガスボンベが空になっていないかどうかは来るまで分からないので、やはり自分のジェットボイルを持って来ました。男の子たちもバーナーを持ってて、ここのボンベと両方使っていました。
「お湯たくさん作るから分けてあげるよ」と言ってくれたので、2杯目のコーヒーを作るのに使わせてもらいました。


彼らは朝ご飯にパスタを茹でていましたΣ( ̄□ ̄|||)
フランスでは朝から塩味のものをがっつり食べる人は珍しい・・・と思っていたら、彼らは3泊だったので、パンを食べ切ってしまって、パスタしか残っていなかったらしい😅


幻想的に霞んだ空に登ってくるお日様をバックに歯磨き中の美大生君。
雲海が再び何となく形になり始めています。


期待していなかったけれど、雲海と反対側には何となく青空も覗き始めました。


日が高くなるにつれ、雲海は薄くなってきてしまいました。


朝は雪が凍っていてガリガリなので、とても滑りにくいので太陽が当たって気温が上がり雪の表面が少し柔らかくなるのを待ちます。
彼らはスノーシューなので雪の状態は気にならないので先に出発していきました。
息子たちと同じくらいの年齢でしたが、とっても気さくで気の利く子たちで、楽しい滞在になりました。ありがとう!


下山編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

美大生の男の子たちと過ごす避難小屋の夜

立地条件も、小屋自体も最高な避難小屋に泊まって、先月スキーハイキングしたときのお話です。


避難小屋に向かう最中に出会ったスノーシューの二人の男の子。
わたしが午後の散策に出掛けてまた小屋に戻って、しばらくすると、帰ってきました。


わたしはハーブティー、彼らは持参のビールを飲みつつ小屋内でおしゃべりしていました。ふたりは美大に通う学生で、同級生なんだそうです。避難小屋に泊まってハイキングするのはまだ2回目だと言っていました。冬の泊りがけハイキングも初めての経験で(その割にはこの小屋に3連泊😅)スノーシューも近くのスキー場でレンタルしたものだそうです。


普段なら夕方に小屋内で寛ぎ始めたら、もう外で何かをする気は起らないのですが😅、そり遊びをしに出たふたりが戻ってこないので、わたしも少し外に出て見ました。
そんなに寒くないし、曇り空だけどそれがまた味があってきれいです。
急いでスキーに滑り止めを貼って、小屋の裏の斜面をしばらく登りました。


そり遊びに熱心なふたり(^-^;
遠くの空は晴れているのに、昼過ぎからこの辺りだけ少しずつ雲が広がってきて、かなり低い位置まで下りてきています。秋にこの小屋に2泊したときも、2日とも夕方には雲が立ち込めてきていました。周りを高い山に囲まれた盆地であること、無数の湖や小川があることで、湿気が溜まりやすいのだと思います。
小屋内の湿気もひどくて、マットレスは全て紐に吊るしてありました。


夕暮れ空の中、小屋の近くをスキーで下りてきた動画です。
👇12秒間です。

Sunset Taillefer
小屋の裏を10分ほどだけ登って、小屋の少し下まで下りる、を2度繰り返しました。
あんまり下りると、また登ってくるのが大変なので( ̄▽ ̄;)適当なところで止まります。


たまたま止まった場所にエリカ(ヒース)が雪から顔を出していました。


夕日の中、スキーするのはあまりないことなのでほんの少しだったけど、小屋から出てきて良かったです。


小屋前から。
ツール・ド・フランスでも有名なスキー場、アルプ・デュエーズを擁するグランド・ルース山塊が正面です。山塊名はあまり有名ではありませんが、最高峰は3465mあります。


中央奥はサヴォワ県で、3つの特徴的なとんがりのエギーユ・ダルヴ(3514m)などが見えています。ふたりはお山初心者のようで、あまり山の名前を知らないのでいくつか代表的なものを教えてあげました。


外が暗くなってきたので小屋に戻りました。
ろうそくに火を灯します。


サラミを切ってふたりにも分けてあげました。


雪を融かし中のふたり。お料理に使うんだそうです。余計に作るから一緒に食べようよ、と言ってくれました。
この避難小屋の素晴らしいところは、ガスボンベがあって火が使えることです。
ボンベが空ということもあり得るので、わたしはジェットボイルを持って来てるし、ここのガスは使いませんでした、


バターでマッシュルームを炒めています。野菜とかバターとか避難小屋に持ってくる人はフランスではあまりいないのでちょっとびっくりしました。そしたら「3日も滞在するから、小屋ライフも楽しくないとね」だそう。避難小屋・お山初心者にしては良い心がけ!?をしています。
ひとつ前の、雪を融かしていた鍋はここの小屋にあったものですが、この鍋は自分たちで持って来たものらしいです。避難小屋って、結構色々なものが置いてあんですが、実際のところ何があるかは行ってみないと分からないし、あるはずのものでも、壊れていたり、派手に汚れていたり、なくなっていたりするかもしれません。結局自分たちでも持って行くから、使わないことも多いんですよね・・・
それに加えてわたしの場合、小屋の食器や鍋などを使うと、きれいに洗うのが面倒くさいので(お湯はもちろん水道もなく、汚れを落としにくい)、ほとんど使うことはありません。


雪を融かした水が湧いたので、ご飯を炊いています。


前もってバター炒めのマッシュルームをよそっておいて、そこに茹でたご飯を足します。


マッシュルームは底なので、よく混ぜて・・・
ふたりはグラーナ・パダーノ(パルムザンみたいなチーズ)持ってきていたので。それを最後にかけていただきました。


おお、なんとワインまで✨
ありがとう(≧∇≦)


木があまりないので、ご飯を食べ終わるまで薪ストーブに火を入れませんでした。
ようやく点火です(^^♪


薪ストーブの上に濡れた靴を置くふたり。
熱くなりすぎるとゴムの部分が融けだしたりするので、注意ですよ(;'∀')


翌朝編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。