フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

新しい山友さんと避難小屋の夜

昨年の秋に自転車中に知り合った山友のCさんとイタリア国境周辺でハイキングしたときのお話です。


先月のお話で、日がもう長くなり始めている時期で、到着したのは夜の8時前でした。
日陰にはなっているものの、まだ十分に明るいです。


入り口の横に、アルピニスムの格好をした青年の写真が貼られています。
この避難小屋は、若くして山で亡くなった彼の思い出のために、遺族や友人たちによって建てられたんだそうです。イタリアにはそういった避難小屋が結構あるようですが、フランスでは聞いたことがありません。


それでは中に入ってみましょう。
Cさんは夏に1度、冬に1度泊まりに来たことがあるそうです。
Cさんが手を伸ばしているもの、何だと思いますか?


ソーラーパネルと直結した電源なのです✨。
なんと電気が付くんですね~💖
これも、フランスの避難小屋ではほとんど見たことがありません。


持って来たお水はほとんど飲んでしまったので、雪を融かしてお湯を沸かします。


靴下は予備に2枚持って来ていましたが、極度の末端冷え性のためCさんが持って来た羊毛の分厚い靴下も借りました(^^;)


プラス、熱々のハーブティーを飲んで生き返りました。


さらにお湯を沸かし続けます。
雪はふんわりと空気を含んでいるので、鍋にいっぱいの雪でも融けると、ほんの少しの量の水にしかならないんですよね・・・


ハーブティーに続いてインスタントスープでさらに生き返りました。
ところでジャガイモが写っていますが、はい、Cさんはなんとジャガイモをいっぱい持って来ました。ただし、自宅で茹でてありました。
奥の小さなペットボトルに入っているのは、気温が低くて固まっていますがオリーブオイルです。


薄いアルミの鍋なので、こびり付かないようにオリーブオイルを敷いてからジャガイモを炒めます。


そこにラクレットチーズを載せました。


お、融けてきた・・・


おお~おいしそうな香りが広がります✨


と、全て料理をしてくれたのはCさんです。
「ほら、お皿を持ってきな!」
わたしのやらないパターンの山飯でびっくり(^^;)


熱いうちにいただきます(*^^*)
美味し過ぎる一皿でした。


持って来たジャガイモの半分の量しか調理できなかったので「第2ラウンド(Cさんの言葉)」開始です(^▽^;)
1回目と合わせて相当な量でしたが、午後ずっと登ったり滑ったりしていたわたし達。思いっきりお腹が減っていたので、問題なく完食しました。


デザートには、わたしが持って来た手作り抹茶ケーキ。


「明日の朝の飲み物の分だけでも、前もって雪を融かしておこう」とCさん。
確かに、かなり時間がかかるのでグッドアイデアです。
お鍋は使って汚れていたので(電気は点くけど、水道はありません)、お鍋の蓋を使って沸かしました。


寝る前に避難小屋の前から撮った星空。
あんなに吹雪いていた午後はもう遥か昔のような、晴れ渡った夜空でした。


2日目編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

新しい山友さんとイタリアへ

先月、新しい山友のCさんと避難小屋泊スキーハイキングに行った時のお話です。


嵐も去ってくれて、ひとつ目の峠に到着しつつあります。


ジグザグに登った最後の辺り。
この辺りはギザギザのお山が多くて、背景がやたらとカッコいいんです。


峠のハイキング用看板が見えています。


峠に到着✨
この峠(というか稜線)からイタリアに入ったんだと思います。


距離とか高低差ではなく、嵐の中登るというのがきつかったです・・・Cさんに「よく頑張ったね」と褒めていただきました。


下りていく、反対側の斜面。


今から行く避難小屋も夏に1度、冬に一度泊ったことがあるんだとか。
それでも念のために地図を確認するCさん。


峠から下りてきつつ、振り返って撮った1枚。
先ほどの嵐が嘘のような良いお天気です。


ここで、スキー板を外して滑り止めを貼りました。
左側の斜面をこれから登っていくんだそうです、


ふたつ目の峠はすぐそこです。


振り返って。
週末だというのに、わたし達以外のトレースはゼロです。


着きました、ふたつ目の峠💖


反対側に下りますが、峠の真下はとても急なので・・・


少し左手の、多少緩やかになっている斜面から滑っていくことにしました。


しばらく下りると、雪が薄くにしかないゾーンに入ったので、石ころでスキー板を傷めないよう、スキーは外して歩きます。


画像の中央に避難小屋が写っています。
夏時間に既に入っていた時期でしたが、もう日陰になっていました。


うわー、なんか可愛い感じです💖


ひゃぁ、フランスでは見ないタイプの避難小屋です。
入り口周辺を雪かきするCさん。


避難小屋の夜編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。

新しい山友さんと嵐の雪山

昨秋、自転車中に知り合った山友のCさんと先月、スキーハイキングに出掛けた時のお話です。Cさんのお友達、M君とH君も途中まで一緒でしたが、行き先がちょっと違ったので別れ、翌日の午後に合流することになっています。


曇り時々雨という、あまり理想的ではない天気予報でしたが、夕方から翌日にかけては晴れということだったので、楽観していたら、すごい風と雪。嵐と言っても過言ではない天候だったと思います(T_T) ちょっと荷物を置くと、あっという間に雪が積もってしまいます。


年季の入った山男のCさんは、このくらいは全然大したことがないようで、ヨユーな感じです。そもそも、夏山でも冬山でも来ていて土地勘がある場所なんだそうです。


わたしの荷物も結構持ってもらっていますが、歩くのが速いのでちょっとトロトロしていると、置いていかれます。こんな天気なので、あまり差が付くと見えなくなってしまうので急ぎます。


きつい・・・と頭のなかで繰り返しながら歩き続けているうちに、若干雪の量、風の強さもましになってきたように思っていた矢先。雲から太陽が薄っすらと見えました✨


目の前の景色も少しはっきりとしたようです。


目の前ばかりか、先ほどは全く見えていなかった周辺の山まで見えてきました。


そして、間もなくもっと遠くの山まで。
空も青っぽくなってきました。


目的地の峠も完全に姿を見せてくれました。
ここまでほぼ視界なしでGPSも見ずに歩き続けてきたCさんには、尊敬の眼差しを向けてしまいました。


峠まで行っても良かったのですが、もうこの時点で4時前。
出発したのが正午ちょっと前、まだ昼ご飯も食べていません。
嵐の中を歩いていた時は辛過ぎ気が付きませんでしたが、だいぶお腹が空いています。


峠を目の前に、軽くランチをしていくことにしました。
これはわたしが持って来たチーズやパン。


Cさんはわたしにとっては、山飯としてはちょっとあり得ない系のご飯を持って来ています。


レンズ豆とご飯をドレッシングで和えたものに、丸のまま持ってきたトマトをナイフで切りつつ加えていました。わたしの持って来たボーフォールを刻んで足して、わたしにも分けてくれました。


デザートにはオレンジ。
他の山友さんのOさんやDさんも、よく山にオレンジを持ってくるんですよね、重たいのに。これも半分もらいました。すみませんね・・・


さて、ご飯を食べて元気になったところで再び歩き始めます。


避難小屋へと向かう編に続きます。
お読みいただいてありがとうございました。